選手以外のスポーツに関する仕事12選!必要な資格・実際に働く人の声も

スポーツに関わる仕事は、スポーツ選手だけではありません。他にも、選手のサポートをする仕事やスポーツ施設に関わる仕事、メディア関係の仕事にスポーツ用品に携わる仕事など幅広く存在しています。ここでは、スポーツに関わる仕事に就くための進路や必要な資格、実際に働いている人の声などを紹介します。

目次

スポーツに関する仕事①選手のサポート

生徒を見守るコーチ

選手以外のスポーツに関する仕事はさまざま。ここでは、スポーツに関わる選手達を心身の両面からサポートする仕事や、競技をスムーズに進めるためのサポート業について紹介します。

1.スポーツドクター

スポーツ外傷の治療や予防、栄養やコンディショニングなどの相談や、スポーツ選手の健康管理を行うスポーツドクター。医療知識はもちろん、スポーツに対する理解や専門的知識も必要な仕事です。

この職業に就くためには、まず医学部に入学して医師免許を取得する必要があります。その上で、JSPO(日本スポーツ協会)公認スポーツドクターの資格を取得する場合は、医師免許取得後4年を経過し、JSPOが開催する講習や修了後の審査を経て、公認スポーツドクターとして認定されます。ただし、日本医師会認定スポーツ医や日本整形外科学会認定スポーツ医などの資格を得るための条件はまた別です。

2.スポーツトレーナー

「スポーツトレーナー(あるいはトレーナー)」の呼称でプロチームや企業チームなどに所属し、トレーニングやコンディショニング、怪我や障害の予防、救急処置などを担う場合が多いのですが、実は「スポーツトレーナー」の定義は明確に定まってなく、チームによって「スポーツトレーナー」に求める役割は様々です。(※)

※JSPOではスポーツドクターやコーチと緊密な協力のもと、スポーツ活動中の外傷・障害予防、コンディショニングやリコンディショニング、安全と健康管理、医療資格者へ引き継ぐまでの救急対応を行い、スポーツをする人の安全と安心を確保したうえで、パフォーマンスの回復や向上を支援する人を「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)」と定め、様々な競技特性を理解し、スポーツ医科学の知識・技能をいかして活躍できるように養成を行っています。

この仕事に就く人の多くは、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーをはじめ、理学療法士・柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師など、チームで求められる役割や目的に応じた資格を有しています。大学や専門学校でこれらの分野を学ぶことが近道と言えるでしょう。

3.監督・コーチ

監督やコーチは、選手の育成や試合の采配などを行う仕事です。そのスポーツ分野特有の専門的な知識や経験だけではなく、スポーツ医・科学、メンタルケアなどの知識をもとに、安心、安全な指導を行う能力が求められます。

対象はプロからアマチュア、学生、キッズチームと幅広く、問われるレベルもさまざま。競技やチームのレベル、出場する大会によっては、JSPOが認定する公認スポーツ指導者資格の取得が必須の場合もあります。

プロ選手としてのキャリアを積み、指導者資格の取得等を行う方の他、大学のスポーツ関係学科や専門学校で学んだ後、監督やコーチに就く人も多くいます。

4.インストラクター

スポーツインストラクターは、スポーツ関係学科の大学や専門学校で学んだ知識を活かせる仕事です。経験を積んだ後には、独立を選ぶ人もいます。

一般の人にスポーツの指導を行うスポーツクラブのインストラクターの他、お客様と1対1で向き合うパーソナルトレーナーも人気。他には、町内会や学校などでレクリエーションを指導するレクリエーションインストラクター、キャンプ場などでキャンプに関する指導を行うアウトドア・キャンプインストラクターという仕事もあります。

スポーツに関する仕事②スポーツ施設

ゴルフ場のグリーンにいるキャディさん

スタジアムや体育館のようなスポーツ施設での仕事も、スポーツに関わる職業です。プロのスポーツ選手に関わる仕事から、一般のお客様が各スポーツを楽しむためのサポートをする仕事もあります。

5.野球場・サッカー場のスタッフ

野球場やサッカー場での仕事は、来場者向けの受付、販売、電球やシートなどの施設整備、人工芝の手入れ、グラウンドキーパーなどさまざま。Jリーグの試合が行われるサッカースタジアムに機材を持ち込み、試合のデータを計測するオペレーションスタッフもあります。

6.ゴルフ場のスタッフ

ゴルフ場でも、運営サイドとして営業、接客、管理整備などの仕事があります。お客様について回るキャディも、ゴルフ場の仕事の1つ。キャディは、プロゴルファーの試合について直接的なサポートができる可能性もある仕事です。

7.スケートリンクのスタッフ

フィギュアスケートやアイスホッケーの会場となるスケートリンクは、1年中オープンしている所もあれば、冬季限定の所もあります。オープンしてからの仕事は、運営、接客、管理、整備などです。他に、スケートリンクのデザインや設計をする仕事もあります。

8.プールのスタッフ

各自治体が管理しているプールや、スイミングスクールのプール、レジャー施設としてのプールなど、さまざまなタイプのプールがあります。そうしたプールでの仕事は、運営、接客、管理整備、安全のための監視員などです。

プールの監視員に法律上必須とされている資格はありませんが、事故防止のため、溺者の救助・搬送・蘇生術などを学ぶことが必要になる場合もあります。施設によっては、日本赤十字社による「水上安全法救助員」の資格が求められる場合も。「プール安全管理者資格」「水泳指導管理士資格」なども役立ちます。

スポーツに関する仕事③スポーツ関連メディア

スポーツの試合会場でカメラを構える女性カメラマン

選手以外のスポーツに関する仕事には、スポーツの情報を扱うメディア関係があります。メディア系で主要な仕事は2種類。スポーツジャーナリストとスポーツカメラマンです。

9.スポーツジャーナリスト

スポーツ選手個人やチームを取材し、記事を書いたり書籍を出したり、テレビ番組を制作したりするのがスポーツジャーナリスト。特別な資格は必要ありませんが、取材力や文章力を必要とします。大学や専門学校の文学部やスポーツ学部から、新聞社、出版社、テレビ局などに就職するといった進路が定番です。

10.スポーツカメラマン

スポーツの試合や選手の様子を撮影するスポーツカメラマンは、出版社やテレビ局に勤務している人と、フリーランスがいます。フリーランスのカメラマンは、媒体からの依頼を受けて撮影するだけでなく、自分でテーマを見つけて撮影した作品を売り込む場合もあります。

スポーツに関する仕事④スポーツ用品産業

ショッピングカートに積まれたさまざまなスポーツ用品

スポーツ用品産業での仕事も、スポーツに関わる仕事の1つです。スポーツメーカーの企画開発を始め、スポーツ用品店やECサイトでの管理・販売の仕事もあります。

11.スポーツ用品の企画開発

スポーツ用品メーカーの主な仕事は、企画開発・営業・販売など。シューズやバット、ラケットといったスポーツ用品だけでなく、最近はアパレルグッズを取り扱うスポーツメーカーも多いです。外資系のスポーツメーカーでは、英語力が求められる場合もあるでしょう。

12.スポーツ用品店のスタッフ

商品管理・営業・接客販売などを行うスポーツ用品店のスタッフも、スポーツに関連する仕事と言えます。接客販売スタッフは、スポーツそのものや、それぞれのアイテムに対する知識が必要です。

スポーツに関する仕事に就いている人の声

インタビューをする人

スポーツに関する仕事に就いている人が、どんな時に喜びを感じ、どんなところで苦労してきたのか紹介します。実際に働いている人の声は、進路選択・就職時の参考になるでしょう。

仕事で喜びを感じる時

スポーツドクターをしている人からは、「夏に合宿をしていた選手が怪我をした。しかし治療を経て、選手は無事に秋の大会に出られた時は喜びを感じた」という声が。また、スポーツトレーナーをしている人は「チームや選手に貢献できる喜びがある」と語っています。

他に、総合スポーツ用品メーカーで複数のブランドを担当し、百貨店営業に就いている人の声もあります。売り場で得たお客様の声を各ブランド担当者に伝え、商品開発に反映させることに醍醐味を感じるそうです。

仕事で苦労した時

実際に仕事をしていると、喜びを感じるばかりではありません。苦労する時もあるものです。スポーツライターとして働いている人は「会社に入るために最も苦労したことは英語」と答えています。海外スポーツや海外選手の取材時に必要となるからです。

また、スポーツカメラマンとして働いている人は「屋外での撮影が多いので、暑さや寒さなど天候や気温の影響に苦労する」と話しています。

スポーツに関する仕事の種類を知って選択肢を広げよう

アドバイスをする女性

スポーツに関する仕事は、選手以外にも幅広くあります。プロ・アマ問わず選手をサポートする職種から、一般の人々がスポーツを楽しむ際のサポートなどさまざまです。メディアやスポーツ用品に関わる職種もあります。あらゆるスポーツに関する仕事の中から、自分がとくに魅力を感じるものを見つけたら、ぜひその仕事を目指してみてくださいね。

JSPOは競技ごとのコーチだけではなく、スポーツドクターやアスレティックトレーナー、スポーツ栄養士、地域クラブのマネージャーなど、さまざまなスポーツ指導者を養成しています。資格の種類や概要、カリキュラムの詳細は下記をご覧ください。

※2021年3月26日 追記修正