〜フェアプレイインタービュー〜【レスリング】吉田沙保里 選手

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無敵の強さだった選手時代

女子レスリングで数々の偉業を達成し、国民栄誉賞も受賞した吉田沙保里さん。オリンピックでは3大会連続の金メダルに輝き、世界選手権でも13大会連続で優勝、個人戦206連勝など無敵の存在でした。

しかし、16年のリオデジャネイロオリンピックで銀メダルを獲得したあと、19年1月に「全てをやりつくした」として現役引退を発表しました。

全力で戦うことが一番

吉田さんは、「全力で戦うこと。それが一番」とフェアプレーに対する考えをはっきりと語りました。「マットに上がる前には相手の戦い方を頭の中でイメージすることもありますが、いったん試合に臨めば本能的に今までやってきたことを全部出すだけ」。フェアプレイ7カ条の一つ「全力をつくそう」をまさに実践していたことになります。

レスリングの指導を受ける中では「とにかく攻め続けろ」というプレー中の姿勢、競技以外でも「人の目を見て話す」「あいさつをしっかり行う」といった日常生活での姿勢について教えられたとのこと。「何事も全力で行うことがフェアプレー」と語る吉田さんは、これらの教えにも全力で取り組んできました。「性格や普段の行いは競技に現れるので大事なことだったと感じている」と話す通り、こうして身についた姿勢は強さの基になっているのです。

失敗しても前向きに

吉田さんは小中学生のみなさんに、「目標を早く見つけ、夢をしっかり持つことが大事。その夢をあきらめずに頑張ってほしい」とアドバイス。それはスポーツだけに限らず、「外で遊ぶことを含め、いろんなことを経験して興味を持ち、楽しむことが、自分のやりたいことを探すことにつながる」と話しました。それが見つかったら、「失敗しても次につなげる気持ちで続けていくことが大切」と言葉に力を込めました。
(「JSPOフェアプレイニュース」109号, 2019年7月8日発行)