スポーツを通じて、社会のルールを学び思いやりのこころを育む。-スポーツ少年団-
ささえる
世界を舞台に活躍するトップアスリートたちの中には、地域の「スポーツ少年団」に入って、その競技の魅力に出会ったという人も少なくありません。
スポーツ少年団は、約56万人の子どもたちが全国各地の約3万団で活動しています(2021年時点)。その中で、子どもたちは、60種類以上あるスポーツを楽しみ、その活動を通して成長する過程で多くのことを学び、経験しています。
この記事では、そんなスポーツ少年団の役割や活動などについて紹介していきます。
スポーツ少年団は、約56万人の子どもたちが全国各地の約3万団で活動しています(2021年時点)。その中で、子どもたちは、60種類以上あるスポーツを楽しみ、その活動を通して成長する過程で多くのことを学び、経験しています。
この記事では、そんなスポーツ少年団の役割や活動などについて紹介していきます。
スポーツを通して「こころとからだの成長」を体感
「スポーツ少年団」では、スポーツを通して、からだを動かすことの楽しさや歓び、仲間との集団行動、さらに地域とのつながりなどを経験することで、子どもたちのこころとからだの成長を育みます。
スポーツ少年団の理念
●一人でも多くの青少年にスポーツの歓びを提供する
●スポーツを通して青少年のこころとからだを育てる
●スポーツで人々をつなぎ、地域づくりに貢献する
●スポーツを通して青少年のこころとからだを育てる
●スポーツで人々をつなぎ、地域づくりに貢献する
「日本スポーツ少年団」は、昭和39(1964)年の東京オリンピック競技大会に先立ち、「オリンピック青少年運動」の一環として、昭和37(1962)年6月23日、日本体育協会(当時)創立50周年の記念事業により創設。その願いは「一人でも多くの青少年にスポーツの歓びを!」「スポーツを通して青少年のこころとからだを育てる組織を地域社会の中に!」というものでした。
多様なプログラムと地域ならではの特長を活かして、さまざまな楽しさや学びを体験
こころもからだも大きな成長変化を遂げる時期には、多様なプログラムが必要であるとの考えから、スポーツ少年団では、スポーツ活動をはじめ、野外活動、レクリエーション活動、学習活動、文化活動、社会活動などさまざまな活動を推奨しています。
また、スポーツ少年団の活動は、学校時間や家庭時間を除く自由時間に行い、活動拠点を学校内ではなく地域社会の中で行うことで、学校の部活動などとは違った体験を得ることができます。
スポーツ少年団の特長とは
さまざまな活動が「こころの成長」につながります
スポーツだけでなく、野外活動や社会活動、文化活動など多岐にわたる活動を通して、子どもは協調性や創造性を養い、社会のルールや思いやりのこころを学んでいきます。こうした学びによって「こころの成長」を促すなど、スポーツ少年団は、情操教育の場としての役割も担っています。
他校の友達や幅広い年代の友達と出会うチャンスがあります
学校・学年・年齢の異なる友達と出会い、スポーツや学習活動などを一緒に行うチャンスがあります。
地域のキズナが深まり、より良い地域づくりに貢献します
スポーツ少年団は、全国約16万人の地域の人々によって支えられています。スポーツを通したネットワークの広がりが、地域内の交流を活発にし、よりよい地域づくりにも繋がっていきます。
スポーツ少年団の特色
① だれが=子どもから大人まで
② いつ=自由時間に
③ どこで=地域社会で
④ なにを=幅広いスポーツ活動を
⑤ どのようにして=グループ活動で行っている集団です。
② いつ=自由時間に
③ どこで=地域社会で
④ なにを=幅広いスポーツ活動を
⑤ どのようにして=グループ活動で行っている集団です。
日本スポーツ少年団が考える、子どものスポーツ活動の基本
① 自主的で、自発的な活動であること
② 真剣さ、厳しさは、団員が目指すものであって、指導者や保護者、マスコミ等から強制されるものではないこと
③ 個人的にも、集団的にも歓びのあふれたものであること
④ 生涯にわたり続けていくであろう、スポーツの基礎をつくる活動であること
⑤ 身体的、精神的に無理がなく、意欲をもって参加できる活動であること
⑥ 活動地域における社会奉仕的活動が含まれていること
単位活動の目安としては、平日では1日2時間程度、休日・祝日では1日3時間程度まで、1週間に2、3回が無理のない活動と考えています。
② 真剣さ、厳しさは、団員が目指すものであって、指導者や保護者、マスコミ等から強制されるものではないこと
③ 個人的にも、集団的にも歓びのあふれたものであること
④ 生涯にわたり続けていくであろう、スポーツの基礎をつくる活動であること
⑤ 身体的、精神的に無理がなく、意欲をもって参加できる活動であること
⑥ 活動地域における社会奉仕的活動が含まれていること
単位活動の目安としては、平日では1日2時間程度、休日・祝日では1日3時間程度まで、1週間に2、3回が無理のない活動と考えています。
60種以上のスポーツと文化的活動など幅広く展開
各地域でたくさんのスポーツ団体が活動しています
全国各地のスポーツ少年団では、さまざまな種目が行われています。
成長が著しい発育発達期には、からだを動かすことの楽しさや歓びを知ることが大切です。基礎的な運動能力や運動習慣を身につけ、生涯にわたってスポーツを楽しむ基盤を作ってほしいと願っています。
お子さん(少年団所属団員)・親御さんにとってのメリット
地域社会の中で活動するスポーツ少年団には、所属団員であるお子さんや親御さんにとってさまざまなメリットがあります。
●組織構造や指導体制をしっかりと確立
日本スポーツ少年団は、公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)が運営する組織であり、都道府県・市区町村スポーツ少年団を組織し、運営しています。実際の活動は「単位スポーツ少年団(単位団)」が、地域と連携して行っています。
スポーツ指導においては、各単位団に「JSPO公認スポーツ指導者」等をおくなど、安全・安心の指導体制に努めています。
プレーヤーの成長をサポートしながら共にスポーツを楽しむことができる存在。いま「公認スポーツ指導者」が求められるわけとは - JSPO Plus
JSPOではスポーツ指導に求められる資質能力を身に付けたスポーツ指導の専門家として「公認スポーツ指導者」を育成しています。
●地域や社会への貢献活動に参加
市区町村など地域との密接なかかわりの中で活動するスポーツ少年団では、清掃・美化・環境保全活動などさまざまな活動にも取り組んでいます。日頃お世話になっている地域への直接的な地域貢献活動を通じて、子どもたちの豊かな人間性を育みます。
●国内交流や国際交流などの機会も
スポーツ少年団では、国際人の育成事業の推進を目的とした、ドイツやアジア諸国との交流のほか、国内の交流活動などの貴重な経験を通じて、子どもたちの人間性を育みます。
●遊びを通じてバランスの良い身体づくりを提案
JSPOは、楽しみながら基本的な動きが身につき、バランスの良い身体づくりにつながるプログラム「JSPO-ACP(アクティブ チャイルド プログラム)」を提案しています。JSPO-ACPは、さまざまなスポーツにおける基礎的な動きの習得に役立ちます。
●家族の時間がより深く充実したものに
お子さんと親御さんが一緒に活動することで、家族共通の話題が増えるほか、お子さんの成長を身近に感じることができます。また、より深い家族の時間を共有することで、親御さんも含めた家族の成長にもつながります。
「スポーツによる青少年の健全育成」を目指して
スポーツや遊びのなかで協調性や創造性などを育む
本来、スポーツは身体運動をともなった遊びであるといわれています。遊びは誰からも指示されるものではありませんから、そこには自由な歓びと楽しさがあります。
子どもの自主的な遊びの中では、いつの間にかそれぞれの発育発達に応じて子ども自身が身体を動かし、理想的な身体運動が展開されています。しかもその活動は自律的で自由な遊びですから、そこから生まれる歓びや楽しさが新たな感動を呼び起こし、さらには協調性や創造性など、生活の上で基本となる豊かな情操を養うなどの素晴らしい効果を発揮します。
遊びを通してルールを学び、相手を思いやる心を養うなどの相互教育作用が生まれ、成長に結びついていくものと考えます。
真っ直ぐに走れない、でんぐり返しができない
最近は、幼児期の子どもたちの中に、真っ直ぐに走れない、でんぐり返しができないといった事例が見られるようになりました。
これは、昔に比べ外遊びや集団遊びなどをしなくなったため、遊びの中で自然に身につくはずの「走る・投げる・跳ぶ・転がる・滑る」といった基礎的動作が上手にできなくなったことが原因と考えられています。
産業の発達や社会構造の変化などによって、子どもたちを取り巻くスポーツ環境が変化するとともに、食生活や遊びの変化などによって子ども自身のこころとからだにも広範な影響が現れてきています。
そして、一部では、大人の都合でスポーツの勝敗や結果ばかりを重視し、子どもたちに過激な動きを求めるようになったことが原因で、スポーツ外傷・障害を起こす事例もあります。
常にこころとからだの発育発達に十分配慮した活動プログラムを推奨し、スポーツ少年団の目的である「スポーツによる青少年の健全育成」が果たせるように取り組んでいます。