『多種目』『多世代』『多志向』の活動はまさに“THE総合型クラブ”!調和SHC倶楽部の取り組みを紹介。
各都道府県の市町村単位で整備が進められ、JSPOの総合型地域スポーツクラブ全国協議会(SC全国ネットワーク)には、全国で1087(※2)クラブが登録しています。
その活動の内容や規模は、各クラブによってさまざま。各クラブとも、地域のニーズを活かしたクラブ運営に取り組んでいます。(※3)
今回は、東京都調布市にある、総合型地域スポーツクラブの「調和SHC倶楽部」をJSPO Plus編集部が取材しました。
※2 令和6年度登録クラブ数
※3 登録クラブ全体の平均値として、1つのクラブの会員数は364名、実施種目数は8.4種目となっています(令和6年度登録クラブ情報から集計)。調和SHCはクラブの一例の紹介で、様々な活動形態の総合型クラブがあります。
モットーは、だれもが、いつでも、どこでも気軽にスポーツや文化活動を楽しめるクラブ。
調和SHC倶楽部では、スポーツの他に健康や文化的な活動を取り入れることで、子どもから高齢者まで幅広い層の人たちが楽しめるクラブを実現。現在、各ジャンルで合計50種目以上の多種多様なサークル、教室の活動をおこなっています。
●剣道 ●卓球 ●インディアカ ●硬式テニス ●ソフトボール ●ソフトバレーボール ●バスケットボール ●バドミントン ●バレーボール ●フロアボール ●ネオホッケー ●スポーツ吹矢
〈ジュニアサポート(教室)〉●小学生バスケットボール ●小学生ネオホッケー&ミニフロアボール ●小学生バドミントン ●小学生スイミング ●Jr硬式テニス ●ダブルダッチ ●キッズホップ ●チアダンス
●水中歩行教室 ●リカバリー体操教室 ●体力アップ教室 ●貯筋運動教室 ●健康太極拳教室 ●気功 ●グラウンドゴルフ ●水泳 ●フレッシュヨーガ ●ボディワーク ●ゆるストレッチ健康ボクシング ●ノルディックウォーキング ●ゆったり体操 ●ボッチャ ●男性の体力増進 ●インドアペタンク ●散策会 ●転倒予防体操 ●健康体操
〈ジュニアサポート(教室)〉●親子体操
●英会話 ●絵手紙・四季絵 ●絵画 ●ゴスペル ●将棋 ●よさこい ●健康麻将 ●俳句 すずめの学校 ●歌声広場 ●フラダンス ●囲碁初心者
〈ジュニアサポート(教室)〉●書道 ●ケイキフラ ●英語であそぼう ●キッズフラワーアレンジメント
子どもたちが楽しみにしているサークル「ソフトバレーボール」。
また、ビーチボールを使ってプレーする「ビーチボールバレー」という種目も一緒におこなっており、より簡単に楽しめるバレーボールとしてこちらも人気。
このサークルでは、それぞれの大会が開催される時期に合わせて、年間で2種類の“バレー”を楽しんでいます。
ソフトバレーボール、ビーチボールバレーとは
ビーチボールバレーは、さらに軟らかい空気入りビニール製のビーチボール(写真左)を使うことでボールの動きが遅くなるため、より簡単・安全に楽しむことができます。
コートはバドミントンのコートサイズでおこないます。ネットの高さは4年生以下を1.8m、5年以上を2mに設定。小学生の大会ではどちらも1チーム4人でプレーします。
平成14(2002)年9月に調和SHC倶楽部ができてすぐの頃に、ソフトバレーボールのサークルが立ち上がりました。私は当時小学4年生だった娘の保護者として来たのですが、バレーボールの経験があったこともあり、以来指導者として子どもたちと一緒に楽しんでいます。
このサークルのいいところは、誰でもすぐにバレーボールのような楽しさを味わうことができること。1年生から6年生までで「体験したい」という子どもはいつでも受け入れています。
小学6年生から1年生までレベル分けされたそれぞれのコートで、みんなが楽しそうにプレーする姿が印象的でした。子どもたちに活動の楽しさや、このサークルのいいところを聞いてみると、「みんなでボールを落とさないようにするのが楽しい」「失敗してもみんなで支え合えるのがいい」などと答えてくれました。また、この活動をきっかけに中学ではバレーボール部に入る子もいるとのことで、こちらのサークルはまさにスポーツの入り口として、いい体験の場になっていると感じました。
取材日は他に、「卓球」や「よさこい」のサークル活動もおこなわれていました。
各種スポーツやダンス、ボッチャ、絵画や将棋、麻雀も。みんなの興味の入り口になるようなクラブ。
専務理事を務められる小高(こだか)さんに、クラブの運営についてお話を伺いました。
今回の取材ではソフトバレーボールを中心に卓球、よさこいサークルの活動の様子を見学させていただきましたが、特にソフトバレーボールは調和SHC倶楽部が誕生されたときから活動しているそうですね。
はい。ソフトバレーボールは一番古くから頑張ってやっています。ここでは教室という形ではなく、あくまでもサークルという形で、大人たちが子どもたちに教えています。競技性ということよりも、みんなで集まって楽しくスポーツをしようという雰囲気です。
ソフトバレーボールのいいところは、全くの初心者の方でも、道具が要らないこと。靴(体育館履き)さえあればすぐ始めることができて、しかも簡単に楽しめるところです。
小高さんはどのような経緯で、専務理事になられたのですか?
私はスポーツが好きで、最初は普通に調和SHC倶楽部の一般会員でした。インディアカという競技をしていて、そこでまずサークルの代表となり、その後、調和SHC倶楽部の理事を任され、会長までやりました。
ソフトバレーボールで指導する徳永さんも平尾さんも調和SHC倶楽部創設時からのメンバーですが、指導員のほとんどの方々もそういった経緯で活動に関わっています。
調和SHC倶楽部は会員数がとても多いようですが、募集はどのようにされていますか?
現在、大人の正会員が700名くらいいます。募集については、紙媒体の「倶楽部ニュース」を地域の小学校全クラスに配布してもらっています。あとはHPや口コミなどで集まってきています。
この調和地区は元々PTAの活動が活発で、「おやじ倶楽部」というお父さんたちの会があり、子どもたちの“健全育成”ということにも力を入れています。そうした環境のなかで我々はスポーツを主体に活動しているので、元々地域との連携がとれているという点は大きいと思います。
指導員やクラブ運営に関わる方々はどのように集められているのでしょうか?
私のようにスポーツが好きで調和SHC倶楽部を利用していた者や、徳永さんや平尾さんのように子どもの保護者としてクラブに来ていた方々が、指導する側やクラブ運営に関わるようになるケースがほとんどですね。あとはクラブで知り合った会員の方々に声をかけたりもしています。
他では70代や80代の方々が活動の中心となっているクラブもありますが、調和SHC倶楽部は50代から70代が中心で、40代で理事をされている方もいますし、今のところはスタッフの世代交代が上手くいっているほうだと思います。
調和SHC倶楽部は、地域の方々にとってどういった存在となっていますか?
スポーツをやってみたいという子どもたちにとっての入り口になる場所ですね。子どもたちは中学や高校では部活動などで本格的にスポーツと関わるようになりますが、ここはその入り口となるところだと思っています。また、子どもたちにとってはいい居場所にもなっていると思います。
大人も同じで、“何かスポーツをしてみたい”と思ったときに地域で気軽に始めてもらえますし、スポーツが苦手な人でも体操などの教室や、将棋や麻雀、絵画などの文化活動もあります。他にも、気功やフラダンス、最近だとキッズホップダンスが人気でサークルを増設しました。
こうした多種多様な活動が私たちの特長であり、クラブの魅力になっていると思います。
取材を終えて
会員は未就学児から90歳以上まで。スポーツや健康、文化活動など多彩な楽しみを揃えた「調和SHC倶楽部」は、まさに“THE総合型クラブ ”でした。
「JSPOが行うスポーツ環境整備とは。世代・技術・地域を越えた取り組みについて解説」- JSPO Plus
ソフトバレーボールはもともと大人のサークル活動としておこなっていたのですが、子どもたちも楽しめるようにと、ビーチボールバレーも始めるようになりました。今では子どもたちだけのサークルとして、夏にはソフトバレーボール、冬にはビーチボールバレーの大会出場を目指して、練習しています。
ボールも軽くて柔らかいですし、運動がそれほど得意でない子どもたちも気軽に始められるのが、この活動のいいところ。このサークルを卒業して中学校ではバレーボール部に入る子もいるので、ここがスポーツの入り口になっていると言えますね。