スポーツクライミングのルールとは? 3種目の見どころも紹介!
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東京五輪より新競技として採用されたスポーツクライミングは、カラフルなホールドが配された垂直にそり立つ壁を、道具を持たずに自身の体ひとつで登る競技です。スポーツクライミングには3種目があり、ルールや見どころも異なります。この記事では比較的新しい競技であるスポーツクライミングについて解説します。
スポーツクライミングの種目【リード】
スポーツクライミングには3つの種目があります。その1つであるリードは、スポーツクライミングの中で最も古い歴史を持ち、持久力が問われる種目です。リードのルールと競技内容、見どころを解説します。
ルール
リード種目では、壁の高さは12メートル以上で制限時間は6分以内というルールがあります。6分の制限時間内に、壁に設置されたルートをどこまで登れるかを競う種目です。
競技内容
選手は、クイックドローと呼ばれる器具にロープを引っ掛けながら登ります。スポーツクライミングではコースを登りきることを完登と呼びますが、リードでは壁のトップに設置されているクイックドローにロープを掛けると完登です。途中で落下した場合は落下地点が記録となり、やり直しはありません。完登した選手が複数いる場合は、タイムの速さで順位を決めます。
見どころ
リードは完登する選手が少なく、6分の制限時間内に12mの壁に挑む難易度が高いスポーツクライミング種目です。少しでも高い到達点を求め、持久力が求められる中、落ちてしまったらそこで競技終了という、緊張感が魅力です。
リードだけでなくスポーツクライミング全般の見どころとして、ホールドと呼ばれるカラフルな突起物も挙げられます。壁にコースを作る際は、サイズや形状もさまざまなホールドが使われています。それぞれの名前も、指をかけて簡単につかみやすい「ガバ」や、指でつかめず手のひら全体を使う「スローパー」などユニークです。
リードだけでなくスポーツクライミング全般の見どころとして、ホールドと呼ばれるカラフルな突起物も挙げられます。壁にコースを作る際は、サイズや形状もさまざまなホールドが使われています。それぞれの名前も、指をかけて簡単につかみやすい「ガバ」や、指でつかめず手のひら全体を使う「スローパー」などユニークです。
スポーツクライミングの種目【ボルダリング】
「体を使ったチェス」とも呼ばれるボルダリングは、高さ5m以下程度の壁を最適なルートで登っていきます。制限時間内であれば複数回チャレンジすることができ、ジャンプをしたり片手でぶら下がったりと、選手の大胆な挑戦が堪能できる種目です。ボルダリングのルールと競技内容、見どころを解説します。
ルール
ボルダリングでは、壁の高さは3メートルから5メートルです。複数のコース(課題)があり、トップのホールドを両手で保持した時点で完登となります。制限時間は1つの課題に対して4分以内。失敗しても時間内であれば何度でもチャレンジできます。制限時間内でどれだけ多くのボルダー(コース)をクリアできるかを競う種目です。
競技内容
選手はロープを使わず、ホールドを手がかり足がかりとしてコースを登っていく、シンプルなクライミングです。コースの難易度が幅広いので、初心者からトップアスリートまで選手層も厚くなります。
競技には専用のクライミングシューズと、手の滑り止め用のチョークという粉、チョーク入れが必要です。
競技には専用のクライミングシューズと、手の滑り止め用のチョークという粉、チョーク入れが必要です。
見どころ
ボルダリングは頭脳戦が見どころです。クライミングが不可能に見えるようなコースを攻略していく動きが魅力的。選手一人ひとりの体格差などによる攻略法や、ムーブと呼ばれる動きの違いも楽しめます。
最大の見どころは、選手達のアクロバティックな動きと言えるでしょう。息を呑むほどのダイナミックな動きもあるので、目が離せません。
最大の見どころは、選手達のアクロバティックな動きと言えるでしょう。息を呑むほどのダイナミックな動きもあるので、目が離せません。
スポーツクライミングの種目【スピード】
スピードは、その名前の通り速さを競うスプリント種目です。その速さは一般的なエレベーターよりも速く、1秒でビル1階から2階分を登るとも言われています。スピードのルールと競技内容、見どころを解説します。
ルール
スピードに使われるのは、95度に前傾した15メートルの壁。同時にスタートした2人の選手が、壁にセットされた同一のコースを登っていき、完登するまでの速さを競う種目です。ホールドの位置や角度は国際規格で統一されていて、どの試合でも同じです。フライングは即失格になります。
競技内容
2人の選手が同時にスタートするのは、スポーツクライミングの3種目の中でスピードだけです。現在、男子の世界記録は5秒48で、女子の世界記録は7秒10です。スピードを感じる競技なので、初心者でも楽しみやすいと言われています。
見どころ
上述のように、スピーディーな試合展開がスピードにおける見どころの1つ。特にトップレベルの選手の試合では熾烈な争いが繰り広げられます。選手達の身体能力の高さがわかりやすい種目です。
スポーツクライミングができる場所
スポーツクライミングの人気を受け、実際に体験できる場所が増えてきています。屋内だけでなく、屋外に壁が設置されている施設もあります。
公共施設
最近は自治体が運営している体育館やスポーツセンター、運動公園などの公共施設でクライミングができるところが増えてきています。公共施設のメリットは利用料金が安いこと。デメリットは、シューズやチョークといった用具のレンタルが少ないことです。
屋内型は営業時間が短く、夜間はほぼ閉まっていることもデメリットかもしれません。公園などに設置された壁は初心者向けに設計されていることが多く、高さや難度が低いものが多いので挑戦しやすそうです。
屋内型は営業時間が短く、夜間はほぼ閉まっていることもデメリットかもしれません。公園などに設置された壁は初心者向けに設計されていることが多く、高さや難度が低いものが多いので挑戦しやすそうです。
クライミングジム
クライミング専用のジムやクライミングの壁があるスポーツジムは、日本全国にあります。こうした場所のメリットは、用具のレンタルがあるので身一つで行けること。初心者から経験者まで利用できる体験コースも人気です。ジムによっては、インストラクターからのレッスンが受けられるプランもあります。
デメリットを挙げるならば、料金が高いところです。1,000円以下のコースもありますが、3,000円前後が中心価格です。
デメリットを挙げるならば、料金が高いところです。1,000円以下のコースもありますが、3,000円前後が中心価格です。
スポーツクライミングの大会
スポーツクライミングでは、オリンピック以外にもさまざまな大会が開催されています。国内のトップ選手が参加する大会もありますし、趣味でスポーツクライミングに取り組む個人向けの大会もあります。
トップ選手達による大会
スポーツクライミングのワールドカップは、毎年開催されています。参加できるのは前年の成績上位者と、各国の選考大会を経た代表選手のみ。各大会の成績をポイント化して集計し、年間チャンピオンを決定しています。
その他2年に1度、世界選手権も開催されています。1つの大会に各国の強豪選手が参加するので、世界一と言われるほどハイレベルです。
その他2年に1度、世界選手権も開催されています。1つの大会に各国の強豪選手が参加するので、世界一と言われるほどハイレベルです。
IFSC(International Federation of Sport Climbing:国際スポーツクライミング連盟)が、国際的なスポーツクライミング競技大会を取りまとめています。
国内の競技大会を統括しているのは、JMSCA(Japan Mountaineering & Sport Climbing Association:日本山岳・スポーツクライミング協会)です。
国内の競技大会を統括しているのは、JMSCA(Japan Mountaineering & Sport Climbing Association:日本山岳・スポーツクライミング協会)です。
当サイトでも、トップクラスの選手のインタビューを紹介しています。
個人で参加できる大会
公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会が行っている大会を始め、アマチュアからトップ選手まで幅広く参加できるボルダリング大会や各クライミングジムが主催する大会も数多くあるので、大会に挑戦してみたいという方は、協会HPまたは各団体の大会要項を確認してみてください。
スポーツクライミングの観戦を楽しみ、実際に体験もしてみよう
東京五輪の正式種目となったことで注目を集めているスポーツクライミング。種目やルール、見どころについて理解を深めることで、観戦がより楽しめるでしょう。各地に増えているスポーツクライミングジムなどの施設で、実際にスポーツクライミングを体験してみませんか。