スポーツや人生のセカンドステージを謳歌!JSPOが主催する「日本スポーツマスターズ」の魅力とは

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スポーツや人生のセカンドステージを謳歌!JSPOが主催する「日本スポーツマスターズ」の魅力とは
近年アスリートの低年齢化によって、国際大会などで次々と若い世代の選手が注目されるいっぽうで、その選手たちのお父さん・お母さんや、お爺さん・お婆さんくらいの年齢のアスリートたちが熱戦を繰り広げる大会があることをご存じですか?
かつてオリンピックや国民体育大会などで活躍していた人が競技の第一線を引退したのち、再び競技への意欲が湧きあがってきたり、若い頃はそれほど本格的にスポーツを行ってこなかった人が、地元のチームでスポーツを続けるなかで少しずつ競技にのめり込んでいったり、そうした競技に打ち込むシニア世代のスポーツ愛好者たちが同じ舞台で日本一を競う大会こそJSPOが主催・運営する「日本スポーツマスターズ(以下、「マスターズ」)」です。
体力や動きの俊敏さは若い頃に及ばないものの、今の自分として競技に向き合い、他の参加者たちとの交流を楽しむ。ここには、若い頃とはまたひと味違ったスポーツの魅力があります。
大変残念なことに、コロナ禍の影響により、2020年の愛媛大会および2021年の岡山大会はやむなく中止となってしまいましたが、2022年の岩手大会に向けて、この大会の魅力をもっと皆さんに知っていただきたく、今回は全国からシニア世代のスポーツ愛好者たちが集う「マスターズ」について、大会が誕生した背景や、大会の見どころなどを紹介します。

「21世紀の新しいスポーツの場」として2001年に誕生!

「マスターズ」の記念すべき第1回大会は、2001年に宮崎県で開催されました。
それまで国内には、「生涯スポーツに親しんでいる人にとっての自己の技量を試す場」や「かつて競技スポーツで活躍した人にとってのセカンドステージの場」が、シニア世代において十分に整っていない状況でした。
「マスターズ」は、JSPOが目指す21世紀における生涯スポーツ社会(幼児から高齢者までが生涯を通じて、自己の能力や志向に応じて豊かにスポーツ文化を享受できる社会)の実現を図る上で、このエアポケット(空白)を埋める「21世紀の新しいスポーツの場」として誕生しました。

生涯現役アスリートが日本一をかけて競う総合スポーツ大会

陸上競技など単一競技でのマスターズの大会は他にもありますが、JSPOが主催する「マスターズ」の特徴は、「生涯現役アスリートが集う全国大会」と「総合スポーツ大会」という2つの特徴を併せ持つ「生涯現役アスリートが日本一をかけて競う総合スポーツ大会」として、独自の楽しみを打ち出しています。

シニア世代と謳いながらも、30代から参加可能

選手の年齢は、原則35歳以上としていて、競技ごとに年齢が細かく分かれています。特に水泳などは1部(30~34歳)から9部(70~74歳)まで幅広い年代の選手が競技を楽しむことができます。
マスターズ(masters=名人)という名称や、シニア世代のスポーツ愛好者たちのための大会ということから、中高年や高齢者のための大会と思われがちですが、競技によっては30代から参加可能です。

「マスターズ」に参加する選手・監督等は生涯現役アスリート

「マスターズ」に参加する選手・監督等は、30代(10.6%)、40代(約42.3%)、50代(29.5%)、60代以上(17.6%)で構成されていて、「壮年期」「中年期」「高年期」といったライフステージを過ごす人々です(※1)。
これらのライフステージは、身体的には若い頃に培った体力を保持することが難しくなるいっぽうで、社会的には職場や家庭、住んでいる地域などさまざまな立場で役割を担う段階にあります。
マスターズに参加する選手・監督等は、加齢に伴い変化する身体と向き合いつつ、さまざまな社会的立場と折り合いをつけながら日常的にスポーツに親しみ、さらに自身の年代におけるトップレベルの競技力を保持しています。
このように自身の身体や競技環境をマネジメントしながら、スポーツの技術や技能を高めるため、今なお自身の身体能力を洗練する姿は、現役アスリートそのもの。こうしたことから、「マスターズ」に参加する選手・監督等は「生涯現役アスリート」と言えます。
※1 2016秋田大会、2017兵庫大会の参加者対象質問紙調査結果の平均値。

生涯現役アスリート=人生に生きがいを持っている人

生涯現役アスリートとは、自ら目標を設定しそれに向けて努力することで人生に生きがいを持っている人。さらに、スポーツを通じてイキイキとした日常を送るその姿は、トップアスリートが言動を通じて国内外に影響を与えるのと同様に、身近にいる家族や仲間に「自分もチャレンジしよう!」という気持ちを起こさせる可能性を持っている人のことで、「マスターズ」にはこうした生涯現役アスリートが多数各地から集まります。

総合スポーツ大会としての「マスターズ」の特徴とは?

JSPOが主催する「マスターズ」は、ひとつの開催地で同時期に複数競技が実施される全国規模の「総合スポーツ大会」です。こうした特質から、本大会にはさまざまな楽しみがあり、開催地における経済効果などにも期待が寄せられています。

種目を超えた交流

「マスターズ」で実施される競技は、水泳(男女)、サッカー(男)、テニス(男女)、バレーボール(男女)、バスケットボール(男女)、自転車競技(男女)、ソフトテニス(男女)、軟式野球(男)、ソフトボール(男女)、バドミントン(男女)、空手道(男女)、ボウリング(男女)、ゴルフ(男女)の13競技。これらの競技を、開会式(1日)を含めた5日間(競技会4日間)の日程で行います。
本大会では、前夜祭形式の開会式など、各競技の選手・監督等や競技役員等が集い交流する場を設けています。
また、大会期間中には各競技が隣接する会場で開催される場合もあり、選手・監督等やその家族・仲間にとってさまざまな競技に触れるきっかけが生まれています。
さらに、本大会では日本と韓国のスポーツ振興を目的に、さまざまな競技で「日韓スポーツ交流」を実施し、参加者たちは親善と友好を深めています。

スポーツツーリズムの推進

本大会は、これまで全国16県・2政令指定都市で開催されています。参加者たちは毎年異なる地域と施設でスポーツに親しむとともに、開催地ならではの食(郷土料理、ご当地グルメ)・観光(名勝、史跡)・人々との交流を楽しむことができます。
年齢を重ねたがゆえに、スポーツツーリズムを満喫する余裕を生み、豊かなスポーツライフの向上につながっています。

地域スポーツ・地域経済の活性化

本大会は、全国から約8,000名の選手・監督等、そして競技役員が一堂に会します。このような規模で大会を開催することは、開催地競技団体において全国規模のスポーツ大会開催ノウハウが蓄積されるだけでなく、国体を契機に建設・改修したスポーツ施設の利活用(レガシーの活用)などにつながり、また、全国規模の大会開催を通じて開催地には経済波及効果(※2)がもたらされます。
※2 過去の開催自治体およびシンクタンク等が試算したマスターズ開催による経済波及効果額は平均7億5,900万円

本大会の見どころは?

シニア世代のスポーツ愛好者の中でも、本大会の参加者は「日常的に、継続的にスポーツに親しむ、競技志向の高い選手(自分の技量を試す場として参加)」と「オリンピックや国際大会、国民体育大会等で活躍した元トップアスリート(シニア世代のトップを目指して参加)」といった2つのカテゴリーに分かれています。
こうしたそれぞれの目標に挑む参加者たちの熱戦をはじめ、スポーツを「する」人も「みる」人も、「ささえる」人も楽しめる本大会の見どころについて紹介します。

かつて憧れていたトップアスリートも出場

本大会には、かつてオリンピックや全日本の選手として活躍した元トップアスリートも出場しています。
そこで本大会を「みる」人にとっては、再び彼らの往年の勇姿を見るとともにハイレベルな試合を観戦することで、自分を磨き続けるアスリートはこの歳になってもここまでできるのか、といった興奮に包まれます。
また、スポーツを(本大会に出場)「する」人にとっては、かつて憧れた選手と同じ舞台に立ちたいという思いが、競技に挑む大きなモチベーションになっています。

最高齢アスリートに注目

本大会における最高齢アスリートは、2016年秋田大会に出場された92歳の男性です。こうした選手の活躍は、見る者に元気と感動を与えてくれ、将来への大きな励みにもなります。

スポーツ愛・地元愛で本大会を盛り上げる

本大会を語る上で、本大会を「ささえる」人の存在を忘れてはなりません。本大会の運営は、JSPOのほか、開催地となる都道府県および都道府県体育・スポーツ協会が中心となって実行委員会を立ち上げて大会本部が結成され、大会や競技関係者はもちろん、スポーツや地元を愛するボランティアスタッフたちの協力によって開催へと漕ぎつけることができます。
このようにスポーツを「ささえる」立場で本大会に参加することで、新しい視点でさらなる楽しみを発見できるかもしれません。

2022年の開催地は岩手県

コロナ禍で3年ぶりとなる次回の「マスターズ」は、2022年9月22日~26日の5日間、岩手県の9市4町での開催となります。なお会期前競技として、水泳:2022年9月3日~4日、ゴルフ:9月7日~9日の日程で開催予定です(開催に関しての情報は記事公開時点のものです)。

コロナによる影響は来年どうなるか予想できませんが、岩手大会は、さまざまな対策を講じて行うことが予想され、これまでのマスターズとは異なる雰囲気となる可能性がありますが、選手たちの競技にかける思いは何ひとつ変わりありません。

そんな元気なシニア世代のスポーツ愛好者たちの活躍に、ぜひご注目ください。