【PR】アシックスが、2030年に向けて思い描く未来とは?

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【PR】アシックスが、2030年に向けて思い描く未来とは?
総合スポーツメーカーのアシックスの創業は1949年。創業者の鬼塚喜八郎氏が、戦後荒んだ青少年の育成に貢献したいという思いを実現するために、「健全な身体に健全な精神があれかし」という創業哲学のもと、スポーツ事業への参入を決意し、日本の再生を目指したところから歴史が始まります。
ASICSという社名の由来は、ラテン語の“Anima Sana In corpore Sano”の頭文字をとったもの。これは、ローマ時代の詩人ユベナリスの言葉で、「もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神あれかしと祈るべきだ」という意味で、まさに鬼塚氏が創業時に抱いた想いからきていると言います。
創業から70年。デジタル化などテクノロジーの進化で暮らしが快適になるとともに、高齢者人口が増え、長く健康でいることが求められる現代で、私たちは何をすべきか?
そこで、2020年10月、アシックスは進むべき未来を描いた「VISION2030」を発表。その内容について、株式会社アシックス 広報部日本地域広報チームの原 邦彰さんにお話を伺いました。

「誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造する」。将来に向けて見つめ直した原点

出典:ASICS VISION 2030より
-「VISION2030」というプランを策定された経緯についてお聞かせください
この数十年、私たちを取り巻く社会や環境は、かつてないスピードで大きく変化していて、特にデジタル技術が人々の日常生活に、より一層定着し、新たな価値や体験を生み出しています。
高齢化社会に加え、こうしたテクノロジーの進化によって生活が豊かで便利になるいっぽう、身体を動かす機会が減るなど、健康に関わる新たな社会課題も生まれ、今後は世界中で心と身体両方の健康に対する意識がますます高まっていくと考えられています。
私たちやスポーツを取り巻く環境が変化するなか、創業者である鬼塚喜八郎の思いでもある「健全な身体に健全な精神があれかし」という創業哲学を実現するには、自分たちの考えや行動も変えていかなくてはいけないと思い、アシックスが今後目指すべきプランとして「VISION2030」を策定しました。
--「VISION2030」を策定する上で、考え方などが変わったところは?
これまではパフォーマンス・アスリートのサポートを中心としてきましたが、「VISION2030」では「誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造する」というテーマを掲げ、「Performance Athletes」のサポートから「Lifetime Athletes in All of US」へターゲットを広げました。
「VISION2030」では、引き続きパフォーマンス・アスリートをサポートしつつ、より広い視野で、運動・スポーツをするすべての人たちの心身ともに健康を向上できる商品やサービス、そして環境を提供していくことをミッションに掲げています。
--ミッションに掲げられた「商品」「サービス」「環境」についてお聞かせください
この先の事業として、当社では「プロダクト」に加えて、「ファシリティとコミュニティ」「アナリシスとダイアグノシス」という3つの事業ドメインを考えています。
1.Product
「プロダクト」であれば、お客様の嗜好や価値観の多様化に基づきパーソナライズされたプロダクトによって、心と身体の健康に貢献できる、そんなモノづくりを目指しています。
“履いた瞬間にお客様の足に自動的にフィットするシューズ“のように、どんな人でも安心してスポーツを長く楽しめる商品の開発を重視していきます。
2.Facility & Community
「ファシリティとコミュニティ」については、より多くの人々の健康を実現するために、スポーツを始めるきっかけや継続するためのきっかけとなるように、リアルとバーチャルを含め、いつでもどこでも誰とでもつながることのできる場所やコミュニティを目指していきます。
3.Analysis & Diagnosis
「アナリシスとダイアグノシス」では、お客様のデータに基づいた分析診断をおこない、心と身体の健康を実現するために、お客様それぞれに合った運動プログラムの提供などを考えています。例えば、プロダクトにセンサーがついていて、常に自分の動きを感知して、コーチのようにアドバイスしてくれたり、お客様から収集したデータをもとに、一人ひとりの健康を管理したり、増進していくことなどを考えています。

先進のテクノロジーで「スポーツの意義」を解明するアシックスの取り組み

株式会社アシックス 広報部日本地域広報チーム 原 邦彰さん
--VISION2030で描く未来(誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造する未来)を実現するために取り組まれたことは?
アスリートのパフォーマンスに関するデータに限らず、一般の方々が「スポーツって楽しいな」というような、スポーツによってもたらされる気持ちの変化をデータ化できないだろうかと考えました。
みなさんスポーツをするときって気持ちが高揚していることが多いと思うんです。そういった気持ちの変化を具体的に数値化していく取り組みとして、「スポーツを通じて世界を元気にするキャンペーン」を立ち上げ、スポーツが精神にもたらす効果について検証しました。
--「スポーツを通じて世界を元気にするキャンペーン」についてお聞かせください
創業哲学の「健全な身体に健全な精神があれかし」を表すブランド・スローガン「Sound Mind, Sound Body」をテーマとしたグローバルブランドキャンペーンです。
まずはスポーツが精神にもたらす効果について検証し、認識を深めることからスタートしました。
参加者を対象に、先進のバイオメトリクス(生体認証)テクノロジーを活用し、スポーツが人の心にどのような影響を与えるかを解明していくもので、スポーツを日常的に楽しむ一般の方々のほか、アシックスの契約選手も参加しました。
--スポーツをすることで起こる気持ちの変化を、どのように数値化するのですか?
アシックスが、ニューロインフォマティクス(脳神経科学と情報科学を融合した脳科学研究の一分野)企業EMOTIV社と、運動とメンタルヘルス研究の第一人者であるブレンドン・スタッブス博士と協力して開発した「Mind Uplifter(マインドアップリフター)」というシステムを活用しました。
このシステムは、脳科学や被験者の運動データなどを分析し、スポーツが感情と認知能力に対し、どのように貢献したかを定量化することで可視化するものです。
この「Mind Uplifter」によって集積された数千人規模のデータをもとに、スポーツが、集中力、洞察力、注意力、認知ストレスに対してポジティブな影響を与える可能性を探り、イノベーティブなサービスや商品の開発にも生かしていくことにしました。

Mind Uplifterとは

使い方は、Mind Uplifter特設サイトにアクセスし、顔認証をおこなう画面にて自身の顔をスキャンし、科学的根拠に基づき開発した質問に回答。その後、ランニング、スイミング、野球、ヨガなど指定された20種類のスポーツから1つを選択し、20分程度の運動を実施。その後、再び顔認証と質問に回答。これにより、運動の前と後における脳と感情の状態が測定され、精神状態の変化を判定。精神状態は「冷静さ」「充実感」「集中度」など10項目に色分けされ、カラーパレットで表示されるという仕組み。
判定結果は、各ユーザーのデータを集約し、世界の人々が運動するだけでどれだけ健やかな気分になれたかを一目でわかるようにした「Mind Uplift Map(マインドアップリフトマップ)」で見ることができるというもの。

「15分9秒」が運動とメンタルにポジティブな効果を示す最小時間であることを解明

--スポーツが人の心にどのような影響を与えるか?について、その後どのような研究をされたのですか?
次に、運動習慣の有無が精神にどのような変化を引き起こすかを測定するプログラム「Mind Race(マインドレース)」を実施しました。
このプログラムは、21か国から運動習慣のある57名を対象に3週間実施しましたが、1週目は各人が日頃から取り組む運動を通常通りにおこない、2週目に運動を休止、3週目に再び通常どおりの運動をおこなうといった内容で、精神状態の変化を時系列で測定しました。
--研究からどのようなことがわかったのですか?
その結果、運動をしない期間は、「自信」が20%、「ポジティブさ」が16%、「エネルギッシュさ」が23%、「ストレスに対処する能力」が22%低下するなど、精神状態を分類した計10項目を分析したところ、参加者の全体的なスコアは平均で18%低下していて、運動をしているときが100点満点中68点だったのに対し、運動を休止した際には55点まで減少するなど、わずか1週間の運動不足が心の状態を低下させることがわかりました。
また、参加者が通常の運動習慣に戻ったときは、全員が心の状態の即時の改善を感じていたことがわかりました。
--とても興味深い内容ですね
これらに加え、独自のシステム「Mind Uplifter(マインドアップリフター)」で得られたデータを分析したところ、自身が日頃からおこなっている運動を1日あたり「15分9秒」実行すると、精神状態にポジティブな影響を与える可能性があることがわかりました。
スポーツってなんとなく30分くらいやらなければダメと思っている人が多いと思うのですが、この結果から、そんな短時間(15分9秒)で気持ちが元気になるなら私もやってみようかなという人が増えてくるかもしれない、そう思える結果を得ることができました。

運動が頭脳を研ぎ澄ます、運動と「認知機能」の相関性に関する研究を報告

--2023年1月には、運動と認知機能に関するリリースを発表されていますね
はい。その後、運動と「認知機能」の相関性についての研究をおこない、運動することで頭が研ぎ澄まされるなどの改善が見込めることを明らかにしました。
この研究は、eスポーツ、チェスなど高い思考能力を用いて競われるマインドスポーツのプレーヤー(以下、マインドアスリート)である20か国77人を対象(18歳以上で週に30分未満の運動しかおこなっていないマインドアスリート)に、2022年5月から4か月にわたる運動プログラム(週平均150分程度の有酸素運動と筋力トレーニング)を実施しました。
運動とメンタルヘルス研究の第一人者であるブレンドン・スタッブス博士の主導により、対象となるマインドアスリートたちには、世界的なトレーニングコーチのアンドリュー・カスター氏によって考案されたトレーニングをしてもらい、4か月の研究期間中、マインドスポーツ、認知テスト、健康アンケートの成績に基づき、参加者の精神的改善を測定しました。
--そこではどのような結果が得られたのでしょうか?
その結果、マインドアスリートの「認知機能」が平均で10%向上し、その中でも「問題解決力」は9%、「短期記憶力」は12%、「速度処理」と「注意力」もそれぞれ10%向上しました。また、「自信」は44%、「集中度」は33%向上、さらに「不安感」においては43%の改善が見られました。
これらの結果は、マインドアスリートのパフォーマンスにも影響し、プログラムに参加したプレーヤーの世界ランキング上昇率は75%を示しました。
これらは、心と体の密接な相互作用をあらわしていて、運動が「認知機能」にポジティブな影響を及ぼす可能性がある、ということを私たちに示してくれました。
--運動と認知機能の関係性から、どんなことが期待できますか?
ブレンドン・スタッブス博士によると、運動は脳内の成長を刺激し、海馬と前頭前皮質への血流を増加させ、それによって、記憶の保持、情報の処理、問題の迅速な解決を可能にすると言います。このことから、例えば、試験に向けた学習の際に集中力を高めたり、仕事でのプレゼンテーション前に注意力を高めたりするなど、運動は脳を活性化することが期待できるとしています。さらに、この研究ではメンタルヘルスにおけるスコアが向上したことも発見されています。

スポーツは人々の気分を高揚させ、積極性を生む。こうしたスポーツの可能性をブランドとして体現していく

--VISION2030やさまざまな研究成果から、今後の取り組みについてお聞かせください
創業から70年以上経過し、私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。しかしながら、「健全な身体に健全な精神があれかし」という創業哲学が変わることはありません。
これからの時代において、この創業哲学を実現していくために、いま私たちは何をすべきか? ここが出発点となり、「スポーツの意義」について改めて知ることができました。

こうしたスポーツが持つ可能性を、アシックスというブランドとして体現していきますので、ご期待ください。

15分9秒、まずはできる運動から始めてみませんか?

「誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造する」というテーマに、JSPO Plus編集部も大いに共感を覚えるとともに、スポーツがもたらす効果を数値化する取り組みとその結果はとても興味深いものでした。
また、記事のなかで原さんもおっしゃっていましたが、確かに、スポーツや運動ってしっかりやらないとダメと思っている人は多いように思います。
自身が日頃からおこなっている運動を1日あたり「15分9秒」実行すると、精神状態にポジティブな影響を与える可能性がある、という研究結果からも、もっと気軽に体を動かしてみてはいかがでしょうか。