【PR】バレーボールを通じて見る「社会」の在り方。日本文化出版のスポーツに対する取り組み

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【PR】バレーボールを通じて見る「社会」の在り方。日本文化出版のスポーツに対する取り組み
日本文化出版株式会社はスポーツ関連の雑誌・書籍を多数出版している会社で、ラグビーワールドカップ2019日本大会の公式ガイドブックを手がけたり、『月刊バスケットボール』『月刊ゴルフクラシック』など人気のスポーツ専門誌を世の中に送り出してきたことでも有名です。


そして、なんといっても最も歴史が長いバレーボール専門誌『月刊バレーボール』。

まだバレーボールというスポーツが日本でメジャーではなかった1947年に日本バレーボール協会の機関誌『VOLLEYBALL(バレーボール)』として創刊され、1973年より『月刊バレーボール』と改め、日本文化出版の単独刊行物となりました。

誕生から72年。日本のバレーボールと共に歩んできたこの本の歴史を紐解きながら、スポーツという文化は我々にどんなものを与えてくれるのか、考えてみたいと思います。

代表取締役「前田 健」氏インタビュー

今回、日本文化出版の代表取締役であり、「月刊バレーボール」の発行責任者でもある前田 健(まえだ けん)氏にお話を伺う機会をいただけました。
【前田 健氏 プロフィール】
日本バレーボール界の重鎮であり、国際連盟や日本バレーボール協会の副会長を務めた前田豊氏を父にもち、会社経営の傍ら、バレーボールの指導者・解説者として活躍中。

指導者としては1972年に中村高校を率いて鹿児島国体優勝、1984年にカナダ男子代表チームを率いてロサンゼルス五輪4位入賞など、カテゴリーに関わらず輝かしい実績をもつ。その他、日本バレーボール協会理事として女子強化委員長なども務めた。

バレーボールを日本で広めた父・前田 豊氏の想い

--日本文化出版と『月刊バレーボール』の始まりについてお聞かせください
もともとは私の父である前田 豊(まえだ ゆたか)が、国民にバレーボールの魅力を広めるために『月刊バレーボール』の前身である『VOLLEYBALL』を全国の書店に一般流通させようとしたことがはじまりです。

父はバレーボールの元日本代表選手で、「百万人のバレーボール」を提唱するなどバレーボールの普及に執念を燃やした人物でした。

--お父様がバレーボールを日本に広めようとしたきっかけはなんだったのでしょう?
1945年、日本は戦争に負けて復興のまっただ中にありました。そんな中で父はバレーボールを通じて人々に生きる活力を与えようとしたんです。終戦から2年後の1947年に日本文化出版を設立し、『VOLLEYBALL』改め『月刊バレーボール』を創刊。指導者として日本バレーボール界を育て、やがて日本のバレーボールが国際的な舞台で世界を相手に活躍することを願いました。

素晴らしいことに、1964年の東京オリンピックでは大松博文(だいまつ ひろぶみ)監督が率いた全日本女子チームが旧ソビエト連邦(ロシア)に勝って金メダルを獲得し、日本中が盛り上がりました。世界中から「東洋の魔女」と呼ばれ、日本にバレーボールブームが訪れたんです。
--まさに『日本バレーボール界の父』なんですね!
父は「白球をつなぐことにより人の和ができる、そしてそれが国民を明るく元気にする」という考えをもち、バレーボールというスポーツを広めることで日本国民に活力を与えました。

私もそんな父に影響され、幼少の頃からバレーボールに馴れ親しんできたんです。現在も会社の経営を続けながらバレーボールの指導や試合の解説などを務めさせていただいております。

--お父様のスピリッツを引き継ぎ、前田さんも日本を代表するバレーボールの指導者の一人です。指導や試合を解説する際に心がけていることはありますか?
1月に「春の高校バレー」という高校生たちの目標となる全国大会があります。私も先日、テレビ中継の解説者として呼ばれたのですが、私はとにかく「選手のプレーを褒める」「選手の精神面を褒める」ということを徹底しているんです。この選手のここが良かった、両チームを通じてここが良かった、と技術的な解説も入れながら褒めます。

と言いますのも、小学生、中学生、高校生といった学校教育の中で行うスポーツというのはVリーグ(バレーボールのトップリーグ)やオリンピックとは目指すべきもの、求められるものがまったく違うからです。勝ち負けがすべての厳しい世界ではなく、スポーツを通じて得た体験から人間としての成長を期待するものですから。

全国大会のテレビ中継ともなれば、郷土のおじいちゃん、おばあちゃんといった家族の方々がその晴れ舞台をものすごく喜んで見守るわけです。その場合の解説者としての私の役割は、専門的な見地から「なにがどう素晴らしいプレーだったのか」をわかりやすく伝えることなんですね。

逆に、それこそメダルがかかったオリンピックの舞台ではプロとして許されないミスもありますし、日本が世界に勝つために時には厳しく指摘することもあります。
--前田さんは人の良いところを褒めて伸ばすタイプの指導者なんですね!
私がいつかの高校バレーの試合を解説した時、たしか予選1回戦とかだったと思うんですけど、負けたチームのメンバーにすごく良いプレーをした選手がいたんです。その時も、チームとして負けはしたものの、その選手の良かったところをテレビでとにかく褒めたんですよ。

それから数年が経ったある日、全日本の代表選手の1人が私に話しかけてきたんです。

「あの時、テレビで前田さんが褒めてくれたことがすごく嬉しくて自信につながり、バレーボールを諦めずに続けることができました」って。その選手は全日本の中心選手として大活躍をすることになるんですが、それはもう嬉しかったですよね。

自分の考えは間違っていなかったと思いました。

バレーボールを通じて見えてくる「社会」

--改めて、バレーボールとはどんなスポーツだと思いますか? バレーボールの魅力について教えてください
スポーツには人々を感動させたり、勇気を与える力があります。

そんな中でバレーボールは人間の社会のあり方に気づかせてくれるスポーツなんじゃないかなって思いますね。
--バレーボールが社会、ですか
チームスポーツでは「一丸となって戦う」とか「人々が協力する」といった素晴らしい選手たちの姿を見ることができます。ラグビーでもバスケットでも少なからずそういう要素があるのですが、中でもバレーボールは選手1人1人に明確な役割が与えられている。どんなに高い能力を持った選手がいても、1人で得点を奪い続けることができないスポーツなんです。

例えばバレーボールには「ボールを拾う(レシーブ)」ことが役割のリベロという守備専門のポジションがあり、リベロは攻撃に参加することが許されないんですね。

そしてレシーブしたボールを、今度はセッターがつなぎます。アタッカーにトスを上げて、スパイクのお膳立てをするわけです。誰かが拾って、誰かがつないで、誰かが打つ。

観戦するお客さんが一番盛り上がるのは、スパイクやブロックが決まって得点が入る瞬間ですよね。でも、その「得点」という目に見える結果につながる前に、レシーブやトスでものすごいファインプレーが生まれていることが多々あります。
--なるほど。スパイクではなく、レシーブやトスに注目するんですね
私はなるべく観客が気づきにくいレシーブやトスの良いプレーや、そのプレーに関わった選手たちの技術の高さなどを伝えるようにしています。それは解説者が言わないといけない。

たしかに目立つのは最後にスパイクを決めた選手かもしれません。

しかし、得点に結びついた一連のプレーを仮に100点だとすると、内99点が1本のトスやレシーブに集約されていることがあるんです。そこに注目すると、目立たない誰かの活躍、目立たない誰かの支えや献身的なプレーが全体の結果に結びついているということに気がつきます。

これを人間の社会に置き換えるとどうでしょうか?

世の中には色んな仕事、色んな役割の人がいて、目に見える仕事の成果物もあれば、目に見えないものもありますよね。
--なるほど! バレーボールの中にある小さな社会に気がつくことで、人それぞれに大切な役割があることを思い出せるんですね。
指導者の例にしても通じるものがあります。

よくバレーボールの試合中にタイムアウトをとって、選手たちに「練習で出来たことがなぜできない?」「なぜ負けているのか考えろ」と言う監督がいます。でも、そんなことは選手たちが一番、疑問に思っていることなんですよ。そうではなく、指導者は明確な指示、シャープなアドバイスを選手に与えるべきなんです。そうすることで解決策を導くのが本来の役割なんですよ。

これを社会や国に置き換えた場合、指導者とは誰のことでしょうか。

学校の先生であり、会社の上司であり、政治家なのではないでしょうか? 社会でもバレーボールの試合と同じように、常にシャープな答えを出す指導者が求められているんです。

日本文化出版が目指すこと

--日本文化出版の今後のビジョンについてもお聞かせいただけますでしょうか
会社としてはこれまでにさまざまなスポーツ専門誌を手がけ、新たなスポーツファンの獲得などスポーツ界への貢献を果たしてきました。

今後はデジタル領域でも専門的なスポーツ情報の需要が求められる時代だと思いますし、専門誌のWeb版や動画コンテンツなども含め、既にデジタル化を進めているところもあります。
一方で、まだまだ紙の媒体、雑誌に求められているものは多いと考えております。

例えば、スポーツ選手のインタビューを動画で配信するにしても、いきなり思っていることや考えていることを正確に喋ることができる選手はそういません。競技をされている方やファンの方に向けて正確な情報を伝えるためには文字(テキスト)の方が向いていることもあるでしょう。

その中で「文字起こしをするのが我々の仕事じゃない」とはよく言うのですが、得た情報をどのようにアウトプットするかが大切で、選手がその時に「言った」ことではなく、選手が「伝えたい思い」を伝えるのが私たちの役割なんです。

インターネットや新聞にはできない、深掘りしたスポーツの情報をこれからもお届けしたいですね。
--その取り組みの中で、私たちJSPOに協賛してくださった理由について教えてくださいますでしょうか
スポーツ界を盛り上げる、発展させる、スポーツの力で社会を良くしていこうというJSPOの考え方に共感を得たからです。

我々もスポーツの文化を盛り上げるため、そして、スポーツの力で世の人々に活力を与えるために様々な形でスポーツと関わりを持つことが喜びなんです。協賛している理由としては、これが素直な気持ちですかね。
--本日は素敵なお話、ありがとうございました。今後とも共にスポーツ業界を盛り上げていきましょう!