【PR】アシックスがスポーツのDXシステム「TUNEGRID」をリリース!その特長と開発の思いは
ささえる
総合スポーツメーカーのアシックスが、試合での戦略や練習法を大きく変える可能性のあるシステムを開発しました。それがスポーツの競技データや日々の運動習慣を簡易に記録し、その記録を分析することができるスポーツデータ統合システム「TUNEGRID(チューングリッド)」です。
団体競技か個人競技かにかかわらず、選手一人ひとりのデータをリアルタイムで収集できます。その収集データで具体的にどのようなことを実現できるのでしょうか。開発の経緯や思いと一緒に事業推進統括部 チューングリッド営業部 開発営業チームの坂本賢志さんにうかがいました。
アシックスが「TUNEGRID」に込めた思い
――「TUNEGRID」はさまざまなスポーツのデータを誰もが簡便に記録できるシステムだとうかがっています。まずは開発の経緯や思いをうかがえればと思います。
開発をはじめたのは2015年のことです。「ラグビーワールドカップ2015」が開催された年ですね。この大会で日本代表は南アフリカやサモアから歴史的な勝利を重ねましたが、トレーニングにGPSを導入していたことが話題になりました。位置情報や加減速、心拍数などのデータを収集、分析していたのです。
そこで私たちも同様のシステムの試作品を作ってみたのですが、その評価はいいものばかりではありませんでした。多かったのは「高性能なので導入したいが、コストが高すぎて採用するのは難しい」という声です。システムのクオリティを求めるとどうしてもご負担いただくコストが上がってしまいます。しかし、それでは採用していただけません。
こうした問題を解決するために、開発の軌道を修正することにしました。そこで出てきたのが「みなさんが必要な情報だけを低コストで、しかも自動で記録できるシステムを作ろう」という考え方です。
これを実現できればスポーツシーンが大きく変わります。いわばスポーツのDX(デジタルトランスフォーメーション)化です。こうしたコンセプトのもとで開発を続け、TUNEGRIDが誕生しました。
「TUNEGRID」で収集できる主な3つのデータ
――「TUNEGRID」で収集できるのは具体的にどのようなデータですか?
TUNEGRIDの最大の特長は「運動量」、つまり「歩数」という極めてシンプルな情報を収集できることです。これを時系列で分析すればどのタイミングで、どの選手の運動量が上がっているか、あるいは下がっているかを確認できます。
また、得点があったときに誰が貢献していたのかを客観的に把握できるのです。こうして選手やチーム全体の傾向をつかめばトレーニングの改善や作戦の立案に役立てることができます。
データ収集の仕組みは非常に簡単です。選手は「TUNEGRID-Cube(チューングリッド・キューブ)」というチップ(小型BLEセンサ)を足にバンドで巻くか、靴のなかに入れます。これが「デジタル歩数計」となって競技中の運動量をTUNEGRIDシステムにリアルタイムで送信するのです。これを見ることで、選手の運動量の変化点を分析できます。
データはグラフやチャートで“見える化”されるので、ビジュアルで把握できます。また、チップは約5グラムと非常に軽いので、選手の動きへの影響はありません。
――運動量から選手のパフォーマンスを把握できる仕組みは確かにシンプルでわかりやすいですね。他に収集できるデータはありますか?
TUNEGRIDでは、さらに2種類のデータを収集できます。まずは「心拍数」です。これはスマートウォッチ型の心拍測定器を使うことで計測します。「運動量」と同じくデータがリアルタイムにグラフ化されるので、試合中の選手のパフォーマンスを把握しやすくなるのです。
一般的に心拍数が上がれば運動の強度が高くなってきたことを表し、逆に心拍数が下がってきたら弱くなってきたことを表します。たとえば、心拍数が急激に上がる一方で下がり方も急激である選手がいたとしましょう。
このデータから推測すると、この選手は瞬発力が高いものの持久力は低いのかもしれません。こうした傾向がわかれば長時間プレーさせるのではなくて、小刻みに選手交代するという選択ができるかもしれません。
さらに「映像」も収集できます。連続撮影して5〜40秒遅れで再生するといったこともできるので、シュート練習中にすぐ自分のフォームをチェックするなどの使い方ができるのです。また、選手Aと選手Bのプレーをディスプレイ上で横並びにすれば、選手が自分たちで考えてセルフコーチングすることに活用できます。
この映像データは運動量や心拍数と連動しています。たとえば、運動量が落ちていることを示すデータと、連続失点の映像データをシンクロさせて把握できるということです。このように各データを時間軸で関連づけてチェックすれば、チーム全体の傾向をつかみやすくなります。
「運動量」「心拍数」「映像」という3つのデータは、どのような競技にも役立つものです。バスケットボールやハンドボール、ラグビー、サッカーなどのチームスポーツから、テニスやバドミントン、マラソンといった個人競技まで、あらゆるスポーツのパフォーマンス向上に活用できます。
トップチームの分析から高校生のIT教育にまで導入されている
――「TUNEGRID」はトップからジュニアまで、すでに多くのチームに導入されていますね。
おかげさまでさまざまなチーム、レベルの方々に採用していただいております。たとえば、2021年に開催された東京オリンピックのハンドボール男子日本代表チームが、直前合宿の効果測定のために導入してくださいました。
選手たちのコンディションや疲労度、パフォーマンス、プレーの確認などに活用してくださったのです。また、チーム全体のフォーメーションの検証にも役立てていただきました。
ジュニア世代で言えば、バスケットボールスクールなどで採用していただいています。
TUNEGRIDは小学生でも簡単に自分のデータを把握できるシステムです。プロやトップチームの選手でなくてもデータから成長を実感できるのはとてもいいことなのではないでしょうか。プレーを客観的に振り返ることで、競技へのモチベーションアップにもつながります。
屋内テニスコートにもTUNEGRIDが設置されている使用例もあります。テニスは生涯スポーツと言われていますが、健康促進の方からジュニアクラスの代表選手なども活用しています。
――パフォーマンスの向上やプレーの確認だけではなく、教育的な意味でも活用されているとうかがいました。
ユニークな例ですが、ある高校にIT教育の教材として採用いただいています。「IT教育」というと「プログラムを書く」というようなことをイメージするかもしれません。この高校では部活動のなかで自分たちチームのデータを分析することで、スポーツアナリストの体験を通じたIT教育に活用しています。
スポーツを安全に楽しむためのシステム
――最後にTUNEGRIDの導入を検討している方にメッセージをお願いします。
TUNEGRIDは「最新の技術」を使っていますが、「最新鋭の技術」を使っているわけではありません。別のシステムと比較して、技術的にもっとも優れているわけではないということです。しかし、だからこそ収集できるデータがシンプルになり、誰もが簡単に活用できるシステムとなりました。
たとえば、地域の体育館に導入すれば高齢の方でもご自身のデータを簡単に確認できますし、学校の部活動の生徒が自分でデータ分析することもできます。また、パフォ―マンス向上に役立てるだけでなく、データからオーバーワークだと察知して意図的に練習量を減らすこともできるでしょう。これがケガのリスク軽減につながれば、スポーツを安全に楽しむことにもつながります。
TUNEGRIDが世の中に広まって、スポーツに関わる人のさまざまな課題を解決することがアシックスの願いです。
こちらのインタビューの動画版もお楽しみいただけます。
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