【バスケットボール 馬瓜エブリン選手インタビュー】 やりたいことは内に秘めているだけじゃなく、どんどん積極的にチャレンジしていってほしい。
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コートの中での躍動的なプレーはもちろん、仲間に声をかけチームを鼓舞するムードメーカー的存在の馬瓜(まうり)エブリン選手。人々を魅了する明るいキャラクターでテレビ番組などでも活躍。バスケットボール界を盛り上げるために、メディアやSNSなどを通じて自身の活動やバスケットボールの魅力を発信されています。
東京2020オリンピックの後、 “人生の夏休み”として一年間休養。その間に、起業したり、自身で企画運営する大会を開催したり、次の目標に向けて走り出したエブリン選手にお話を伺いました。
(プレー中の写真提供:月刊バスケットボール)
東京2020オリンピックの後、 “人生の夏休み”として一年間休養。その間に、起業したり、自身で企画運営する大会を開催したり、次の目標に向けて走り出したエブリン選手にお話を伺いました。
(プレー中の写真提供:月刊バスケットボール)
バスケットボールは、チームとして仲間と一緒に戦えることが楽しいと思った。
写真提供:月刊バスケットボール
--バスケットボールを始めたきっかけは?
小学校4年生のときにバスケットボールを始めました。ミニバスケです。その前は水泳やピアノなどをやっていましたが、バスケが一番楽しかったです。特に、個人ではなくチームとして仲間と一緒に戦えることや、チームで1つの目標に向かって頑張るところが魅力。
また、バスケットボールは比較的感情が表に出やすいスポーツだと思います。日本ではそこまで感情を出す選手はいませんが、そういう意味では、自分の性格的にも合っているスポーツだと思いました。
また、バスケットボールは比較的感情が表に出やすいスポーツだと思います。日本ではそこまで感情を出す選手はいませんが、そういう意味では、自分の性格的にも合っているスポーツだと思いました。
--中学は東郷中学、高校は桜花学園に進まれますが
中学までは天真爛漫に仲間とバスケを楽しむ、そんな感じでしたが、高校(桜花学園)は勝つためのバスケ。環境が大きく変わったので入った当初は不安も大きかったです。
--高校(桜花学園)で学んだことは?
やっぱり基礎が大事だということですね。意外と基礎をしっかりとやるチームだったので、そういう意味では派手なプレーを見せている裏での努力というのはすごく大事だと思います。井上先生(桜花学園監督の井上眞一氏)からも、毎試合、本当に戦う気持ちで行けというふうに言われていたので、そういった気持ちはいまでも大切にしています。
声を出してチームを盛り上げていく、昔からずっと自分の役割だと思っている。
写真提供:月刊バスケットボール
--東京2020オリンピックではエブリン選手のチームを盛り上げる姿が印象的でしたが…
そうですね。それが自分の持ち味でもあるので。そういった姿はパリ2024オリンピック予選で顕著になったかと思いますが、みんなのことを応援する、チームを盛り上げていくというのは昔からやっていることですし、それが自分の役割だと思っています。
--銀メダル獲得という歴史的快挙を振り返って、躍進の要因は?
選手それぞれが自分たちの役割を徹底してプレーできたというのが一番の強みだったと思います。私自身も、コーチから与えられた役割を自分の出場時間のなかでフルにしっかり表現しようと思っていましたし、リングにアタックしているところをチームのみんなに見てもらって、試合のなかで少しでも勇気を与えることができたらいいなと思いました。チームとしての結束力もすごくあったと思います。
--東京2020オリンピックでのベルギー戦やフランス戦の逆転劇、接戦をモノにする強さはどこから?
プレッシャーがかかった状況で自分たちのバスケをしっかり発揮できるぐらいの練習量というか、練習してきた分だけ、それぐらいの自信はあったと思います。
小学校の頃の夢は「オリンピックに出る」ことと、「社長になる」こと。
--東京2020オリンピック後、一年間いろいろなチャレンジをなさった様子でしたが。
「オリンピックに出る」という夢を1つ達成したこともあって、次に成し遂げたい大きなことのために、いろいろなことに挑戦してみようと思いました。
私の小学生の頃の夢は「オリンピックに出る」ことと、「社長になる」ことでしたから(笑)。
私の小学生の頃の夢は「オリンピックに出る」ことと、「社長になる」ことでしたから(笑)。
その一年はいろんなことをやってみて、自分自身、すごく成長できたと思います。
リーグからは離れましたけれど、日本の女子バスケを今よりもっとメジャーにしたいという思いもありましたし、そのためにも自分自身の発信としてはSNSやメディアを通じてできているのではないかと思います。
リーグからは離れましたけれど、日本の女子バスケを今よりもっとメジャーにしたいという思いもありましたし、そのためにも自分自身の発信としてはSNSやメディアを通じてできているのではないかと思います。
--そのなかで何か気づかれたことはありましたか?
いろんな人たちと関わるようになって、リーダーシップの重要性や、人に何かを伝えるときにどうやって伝えたらいいのか、というようなところはすごく気づけたのではないかと思います。
--パリ2024オリンピック世界最終予選(OQT)の2戦目でハンガリーに負けたあと、宮崎早織選手から「エブリンの吠えが足りない」とハッパをかけられたそうですが、次のカナダ戦はどんな思いで戦いましたか?
本当に最後の試合でしたし、すべてをしっかり出し切ろうと。チームを鼓舞して自分ものっていきたいという思いがあったので、とにかく吠えました(笑)。
恩師や母、そして対戦相手にも感謝の気持ちとリスペクトを忘れずに。
--JSPOでは、スポーツを「する」「みる」「ささえる」をテーマにしています。そこで、支えてもらっている人の存在について感謝したい人は?
井上先生と、お母さんには感謝したいですね。特にお母さんにはいろいろと支えてもらっているので…。
対戦相手にも感謝ですね。試合ではバチバチする場面もありますが、相手も私たちと同じく、バスケという大好きなスポーツをやっている仲間だと思うので、そういう意味ではリスペクトを忘れずにプレーできたらいいなと思います。
実際のプレー中にも、相手のベンチに飛び込んでしまったりすることがありますが、そうしたときに相手選手が「ナイスルーズボール」とか言ってくれて、すごく嬉しい気持ちになります。
バスケットボールを通じて大きなことを成し遂げたい、それが今後の夢。
--ご自身で大会なども開催されていますが、今後はどういった活動をされていかれますか?
これからオリンピックやプロを目指していく若い世代の選手たちのなかには、本当に上手な子たちが多いですし、そういう意味でも、自分が培ってきた経験をしっかりと伝えてあげたいと考えています。
そういった思いから自分で3X3の大会を開催するとか、これからの子たちのためにそういった活躍の場を提供することもとても重要なことだと思います。
そういった思いから自分で3X3の大会を開催するとか、これからの子たちのためにそういった活躍の場を提供することもとても重要なことだと思います。
--ご自身で企画運営する3x3の大会を始められたきっかけは?
高校生を対象に毎年1回おこなっています。
きっかけは、選手たちが企画運営する大会というのがあるとすごく面白いんじゃないかなと思ったことと、高校生の子たちに、みんなに見てもらえる機会をどんどんつくっていきたいという思いがあってやっています。そんなに大きい大会ではありませんが、結構面白いと思いますよ。
きっかけは、選手たちが企画運営する大会というのがあるとすごく面白いんじゃないかなと思ったことと、高校生の子たちに、みんなに見てもらえる機会をどんどんつくっていきたいという思いがあってやっています。そんなに大きい大会ではありませんが、結構面白いと思いますよ。
--今一番の目標は?
このあとパリ2024オリンピックが始まるので、まずは日本女子代表チームの選考に選ばれるというところを目標にしています。
※インタビュー時点(5月初旬)では目標と語ったエブリン選手。その後、2大会連続となる、パリ2024オリンピックバスケットボール日本女子代表に選ばれました。
--エブリン選手の将来の夢は?
オリンピックに出場することもそうだったのですが、自分には何かひとつ大きなことを成し遂げたいという思いがあって、それが夢といえば夢。ですが、それが何かはまだわからず、そういった思いを一応価値観として持っているという状況です。
--子どもたちにメッセージを
自分のやりたいことや、チャレンジしたいことなど自分のなかにあると思うのですが、内に秘めるだけじゃなく、どんどん積極的にチャレンジしていって、たくさん失敗して学んで、いろんな経験をしながら進んでいってほしいと思います。
〈馬瓜エブリン 選手プロフィール〉
馬瓜エブリン(マウリ・エブリン)
愛知県出身。1995年6月2日生まれ
ワタナベエンターテインメント 所属
デンソーアイリス所属
ポジション/パワーフォワード
愛知県出身。1995年6月2日生まれ
ワタナベエンターテインメント 所属
デンソーアイリス所属
ポジション/パワーフォワード
東京2020オリンピック 女子バスケットボール銀メダル獲得/Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)2連覇/桜花学園高校時代に、高校三冠(インターハイ、国体、ウインターカップ)を達成。U-17日本代表に選出され2012世界選手権ベスト4/2014仁川アジア大会3位/FIBA女子アジアカップ2017 優勝/FIBA女子アジアカップ2019 優勝 など