【テレワークで運動不足】テレワークが健康に与える影響とは?簡単な対策法も紹介

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【テレワークで運動不足】テレワークが健康に与える影響とは?簡単な対策法も紹介
コロナ禍の影響により、外出する機会が減って運動不足を感じている人も多いでしょう。運動不足は、筋力低下や生活習慣病、精神疾患など、さまざまな影響を及ぼします。この記事では、運動不足が健康に与える影響と対策方法を紹介します。

コロナ禍で外出を控える中、運動不足が問題に

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出自粛やテレワークの推奨など、運動量が減少し、懸念されているのが運動不足です。ここでは運動不足の解説と、運動不足かどうかをセルフチェックする方法を紹介します。自分が運動不足なのかチェックしてみましょう。

運動不足とは

「運動不足」とは、一般的に推奨される運動量や、健康維持のために最低限必要な運動量を満たしていない状態を表す言葉として用いられています。

コロナ禍で外出自粛が呼びかけられ、仕事もテレワークになって自宅にこもる人が増えました。大人は在宅勤務が増えたこと、子どもは学校が休校や部活動停止などになったことで、年齢に応じて必要な運動量をこなせなくなり、運動不足が懸念されています。

世界保健機関(WHO)の調査では、2016年の時点で全年齢の運動量が低下していることが指摘されていました。この度のコロナ禍の影響で、さらなる運動不足が懸念されています。

運動不足かどうか確認しよう

自分の生活を振り返り運動不足かどうかを確認しましょう。以下の10項目のうち、いくつ当てはまるかで診断します。

□身体を動かすことを面倒に思う
□目が覚めてから起き上がるまで時間がかかる
□エレベーターやエスカレーターを使い、階段をあまり使わない
□階段を少し上っただけで息切れしやすい
□少しの距離でも歩きたくない
□午後になると疲れを感じやすい
□慢性的な疲れを感じる
□休日は家でゴロゴロすることが多い
□ずっと体重を測っていない
□運動する時間を確保していない

●当てはまる項目数0~2個
運動不足ではありません。引き続き、身体を動かしてください。

●当てはまる項目数3~7個
運動不足と言えます。なるべく徒歩を心がけ、階段を使ったり、1日10分程度のストレッチを行ったりといった軽めの運動から始めてください。

●当てはまる項目数8~10個
深刻な運動不足に陥っています。急な運動はストレスがかかる可能性があるので、無理なくできる軽い運動や散歩などから実践してください。

運動不足が体に与える影響①身体面

運動不足は筋力低下、免疫低下、肥満、生活習慣病など、身体にさまざまな影響を与えます。ここでは、身体に与える影響について具体的に紹介します。

筋力が低下する

2週間歩かないだけで筋力は低下すると言われています。筋力が低下すると、立つ、座る、歩くなどの日常生活動作が著しく低下します。その結果、転びやすくなるリスクが高くなることに。転倒して骨折すると介護状態になる可能性もあるので要注意です。

免疫力が低下する

運動不足になると、筋肉量が減少します。筋肉が少なくなると体温が下がり、健康的な人の体温を下回ることに。

体温が低下すると血液の流れが悪くなり、免疫力が低下します。免疫力の低下で、細菌やウイルスに感染しやすくなり、さらにはがん細胞の増殖を抑えられない可能性も生じ大きなリスクとなります。

代謝が低下する

運動し筋量が増えると基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼する効果やカロリーを消費する効果があります。

慢性的な運動不足だと、基礎代謝が下がり太りやすくなります。他にも、便秘や冷え性を招くことも。特に30代以降は、代謝が低下して肥満になりやすいので注意が必要です。

生活習慣病を引き起こす

運動量が低下すると、脂肪がたまりやすくなります。特に内臓脂肪がたまると様々な悪影響が生じます。高血圧、糖尿病、脂質異常症など肥満に関わる病気、生活習慣病を発症しやすくなります。

生活習慣病になると、心筋梗塞や脳卒中などに発展する場合も。そうならないためにも、運動して予防をしましょう。

運動不足が体に与える影響②精神面

運動不足による影響は、身体面だけではなく精神面に与える場合もあります。運動不足が原因で精神疾患になる可能性も。ここでは、運動不足によるストレスの影響について説明します。

ストレスがたまって精神が不安定になることも

身体を動かすことで、ストレス解消に有効なホルモンが分泌されます。セロトニンやエンドルフィンなど、精神安定剤のような役割をする物質が生成されて不安感が軽減されるのです。身体の適度な疲労は、質の良い睡眠にもつながります。

運動不足が続いてストレス解消ができない状態が続くと、場合によっては不眠症や自律神経失調症などを招く恐れもあります。自律神経が乱れ、うつ病につながる可能性もあるので注意が必要です。

簡単にできる運動不足の対策法

ここからは、運動不足解決のために自宅や外でできる運動を紹介します。あわせて、世代別に推進される運動量も紹介するので、自分の年齢に当てはめてチェックしてください。

【世代別】健康維持のために推進される運動量

厚生労働省は2013年に「健康づくりのための身体活動基準2013」を作成しました。これによると、示された基準をクリアする習慣を作ることで、生活習慣病の発症などリスクを下げられるとされています。

現代では、生活習慣病は、大人だけでなく子どもにも増加しています。

そのため厚生労働省では、子どもの頃からのライフスタイルの改善を提言しています。文部科学省でも、「毎日60分以上楽しく体を動かすことが望ましい」として、「幼児期運動指針」を策定しました。体力向上の基礎を培う幼児期に適切な運動をすることで、丈夫でバランスのとれた体を育み、生涯にわたる健康的で活動的な生活習慣の形成にも役立つ可能性が高く、肥満や痩身を防ぐ効果もあり、成人後も生活習慣病になる危険性は低くなると考えられるため、小学校就学前の子どもにも遊びを中心とする身体活動を十分に行うことを推奨しています。

18~64歳までの成人は、歩行か歩行と同等以上の運動を毎日60分。それに加え、汗をかくくらいの運動を毎週60分します。65歳以上は、身体を動かすことならどんな運動でも良いとされています。毎日40分程度が目安です。    

参考:厚生労働省|「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html
文部科学省:「幼児期運動指針」https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319771.htm

20分のウォーキング

どの世代も、まずは20分のウォーキングがおすすめです。ウォーキングは普段の生活に近い負荷なので、身体への負担が少なくできます。正しいウォーキングフォームは次の通りです。

・背筋を伸ばしてあごを引き、視線は前方15メートルほどに向けます。
・かかと、つま先の順で着地。足のうらに全体重がかかるようにし、足の指の付け根で蹴るようなイメージで踏み出します。
・膝は曲げ過ぎないように注意します。
・おなかに力を入れて、腰から歩くように意識してください。

継続するコツは楽しむこと。夫婦・親子でウォーキングすると楽しみながら運動できるでしょう。

※ウォーキングの際には、人の少ないコースを選ぶ、一定の距離を保つなど、新型コロナウイルスへの感染対策を行いましょう。

自宅で筋力トレーニング

運動不足の解消には、下半身の筋力トレーニングが効果的です。下半身には大きな筋肉がついているので、鍛えると代謝がアップして太りにくい身体になります。この筋肉を鍛える効率的なスクワットをして下半身を強化しましょう。

正しいスクワットの仕方は次の通りです。
・足を肩幅に開き、つま先が前に向くように立ちます。
・股関節を意識して膝をゆっくり曲げます。
・お尻と膝が同じ高さになるように下げて戻す、を繰り返し。
・膝を曲げる際、膝がつま先より前に出ないように注意してください。

あわせてストレッチもすると、さらに効果的です。
JSPOでは親子で運動が楽しめる「アクティブ チャイルド プログラム」があります。こちらも参考までに。

運動不足の影響を理解して健康を維持しよう

運動不足は、肥満や生活習慣病など身体的な影響を与えるだけではなく、精神的にも影響を与えます。健康維持・促進のために推進されている運動量をこなし、心も体も健やかに過ごしましょう。