初心者向け!ノルディックウォーキングで運動不足を解消!簡単に始められて、無理なく効率的に全身をエクササイズ

する
初心者向け!ノルディックウォーキングで運動不足を解消!簡単に始められて、無理なく効率的に全身をエクササイズ
コロナ禍における運動不足解消のひとつとしてランニングをおこなう人が増えているようです。
JSPO Plusでもランニングの記事を掲載していますが、走るのはちょっと…という人は、まずは「ウォーキング」からはじめてみてはいかがでしょうか。
自分の好きなペースで歩く。ペースや個人差にもよりますが、体重60kgの方の場合、30分程度の散歩で約100kcal前後を消費できるといわれています。
また最近では、2本のポールで体を支えながら歩く「ノルディックウォーキング」が人気です。通常のウォーキングよりも効率よく全身をエクササイズできるほか、歩きたいけれど足腰に不安があるなどの理由から歩くことをためらわれている人にもおすすめです。
今回の記事では、そんな「ノルディックウォーキング」の魅力と始め方などを紹介します。
※ランニングの記事もご用意しています。ランニングをはじめられる方はぜひご覧になってください。

ノルディックウォーキングとは?

ノルディックウォーキングは、スキーのクロスカントリーのように両手にポールを持ち、地面にポールを突きながら歩く歩行運動です。
元になったのは1930年代からフィンランドのクロスカントリースキーチームが夏場のトレーニングとしておこなっていた「スキーウォーク」で、その全身運動の効果が注目され、1990年代後半、「ノルディックウォーキング」として広く注目されるようになりました。
JSPO Plus 編集部
JSPO Plus 編集部

もともとトレーニングに用いられていた「ノルディックウォーキング」は、ポールを体の後方に突いてアクティブに進む歩行スタイルでしたが、ここではポールを体の前に突き、背筋を伸ばした状態でゆっくり歩行するスタイル(ポールウォーキング)も「ノルディックウォーキング」として紹介していきます。

通常のウォーキングやランニングとはココが違う!ノルディックウォーキングの特徴

ランニングやウォーキングなどと大きく異なる、ノルディックウォーキングのいちばんの特徴は、専用のポールを使った4点歩行にあります。
この4点歩行により、両足にかかる加重負担を分散させ、膝などへの負担を軽減させるとともに、ポールを使うことで上半身も積極的に動かして、効率的に全身運動をおこなうことができます。

走ること・歩くことに不安がある…そんな方の一歩を「ポール」がサポートします。

ランニングの記事でも紹介しているように、日ごろから運動している人は免疫力が高くなり、ウイルス感染症にかかりづらくなるといわれています。また、仮に発症したとしても軽い症状で済む傾向がある(※)ともいわれています。
※アメリカの健康保険組織であるカイザーパーマネンテが、運動と新型コロナウイルス感染症の関係を調べた結果、中強度の運動を週に150分以上おこなう人が入院するリスクや死亡するリスクはいずれも、週に10分以下の人たちと比較して45%以下に抑えられることがわかったのです。
こうした「免疫力の向上」や「ストレスの解消」になるとして、ランニングやウォーキングをおこなう人がいるいっぽうで、運動の大切さに気づいていながらも、走ることや歩くことに不安や抵抗を感じている人も多いのではないでしょうか。
ノルディックウォーキングは、そうした方たちの悩みを解消する手軽で効率的な歩行運動といえます。

転ばぬ先の「ポール」で、坂道や階段での歩行も安定

足腰が衰え筋力が弱ってくると、ちょっとした段差に足が引っかかって転倒したり、次の一歩がなかなか出せずに前のめりに倒れたり、危険な事態に見舞われます。
ノルディックウォーキングでは、ポールで地面を突き、しっかりと体を支えながら足を出すことができるので、たとえ足場が不安定な場所でも歩行が安定します。

ノルディックウォーキングは、こんな方たちにおすすめ

・運動したいけれど走ること(歩くこと)に抵抗がある方
・膝などに痛みや不安を抱えている方
・足腰の衰えを感じている方

無理なく実践できる高いエクササイズ効果にも注目!

走ることには抵抗があるけれど、歩くだけではモノ足りないという人にもノルディックウォーキングがおすすめです。実はポールを使って歩くことで、ノルディックウォーキングでは高いエクササイズ効果を得ることができます。

ポールを突くことで歩幅が広がる

ノルディックウォーキングでは、ポールを突くことで一歩一歩の歩幅が広がります。これにより歩行時間が同じでも、通常のウォーキングに比べて移動距離が増え、さらに、大きな歩幅で歩くことで運動量も多くなります。

ポールを突く分、上半身の運動量が増える

また、両手に持ったポールを左右交互に突くことで、腕や上半身の運動量が増えます。

ノルディックウォーキングには、他にもさまざまなメリットがあります。

・加重負担を脚以外に分散させることで、膝関節や脊椎などへの負担を軽減できる
・下半身にかかる負担を軽減することで、長時間の歩行がラクになる
・ポールを使って歩くことで歩行姿勢が良くなる

ノルディックウォーキングに必要なもの

ノルディックウォーキングをはじめるにあたり必要となるのが「ポール」です。自分に合ったサイズのポールを用意しましょう。

ポールの長さは「身長×0.63」で選びます

身長150cmならポールの長さは95cm前後、身長160cmなら100cm前後、身長170cmなら108cm前後、身長180cmなら115cm前後のものを選びます。ポールはレベルや使用場所によってさまざまな種類があります。
購入の際、できれば実際にポールを手にとってみることをおすすめします。登山やアウトドアの専門店などでスタッフのアドバイスのもと、ご自分に合ったサイズやタイプをお選びください。
また、ネットショップでも購入可能です。ミズノWebサイトではノルディックウォーキングの解説とともにさまざまな専用ポールが紹介されています。

ポール以外に用意したいもの

ポールのほかには運動しやすい靴や服装、日差しを避けるための帽子や汗を拭くタオルなどを用意しましょう。寒い時期には防寒対策もしっかりおこない、逆に暑い時期には熱中症予防の飲水に留意しましょう。

実際にノルディックウォーキングをやってみましょう!

ポールの持ち方や、ポールを使った歩き方について簡単に紹介します。準備運動をおこなったら実際にポールを持って歩いてみましょう。

〈ポールの持ち方〉

基本的な持ち方は、ポールのグリップについているストラップに手(親指以外)を通し、人差し指は上部にそえて、小指、薬指、中指で軽くささえるように持ちます。親指をグリップの上部にのせ、ストラップを抜けない程度にとめます。
ただし、ポールによってグリップやストラップの形状が異なるため、購入する際はそのポールに合った正しい持ち方を教えてもらうようにしましょう。

〈ポールを使った基本的な歩き方〉

両手に持ったポールを地面に突き、背筋を伸ばします。踏み出した足と逆のポールを地面に突きます。このとき腕はリラックスさせて歩くときと同じように前後にまっすぐ振ります。

〈準備運動〉

ウォーキングの前後にはしっかりストレッチをおこないます。特に大腿四頭筋(太腿の前側)や大腿二頭筋(太腿の後側)や下腿三頭筋(ふくらはぎ)、肩肘関節などを中心に入念におこないます。
公認スポーツ指導者が「ウォームアップ&クールダウン」について解説した記事もぜひご覧ください。

ポールという支えがあるから世界が広がる。ノルディックウォーキングの魅力や楽しみ方

ポールがあればすぐにでもノルディックウォーキングをはじめることができます。ランニングよりもゆっくりとした運動で、ウォーキングよりも安定して歩行できるノルディックウォーキングならではの魅力や楽しみ方を紹介します。

ゆっくりと移動することで出会う小さな発見を楽しむ

ゆっくりと移動することで、ランニングのスピード感ではつい見過ごしてしまいそうな小さな出来事に気づくことがあります。道端に咲く小さな草花や、木の実をついばむ鳥など、周囲の様子をしっかりと観察しながら運動を楽しむことができるのも魅力のひとつといえます。

ポールという支えがあるから起伏のあるコースにも挑戦できる

都市部や河川敷などの平坦な道を歩くことはもちろん、ポールを突くことで歩行が安定するため、慣れてきたら起伏のあるコースにも挑戦することもできるでしょう。山間のコースを散策すれば、季節ごとの自然の表情や四季の移り変わりをより鮮やかに感じることができます。
歩行が安定することで、行動範囲が広がることもノルディックウォーキングの魅力といえます。
ほかにも、紅葉や桜の名所を散策したり、名勝史跡を巡ったり、季節や名所によって楽しみが広がります。
ノルディックウォーキングの楽しみ方は人それぞれ。長く続けるためにも、自分のペースで自分に合った楽しみ方を見つけてみてください。