地域活性化を担うスポーツツーリズム!スポーツと観光の融合で生まれる地域の新しい価値とは?

みる
地域活性化を担うスポーツツーリズム!スポーツと観光の融合で生まれる地域の新しい価値とは?
スポーツツーリズムとは、スポーツ観戦のために旅行したり、スポーツイベント参加のために観光地を訪れたりといった、スポーツにかかわる旅行全般のこと。Jリーグやプロ野球ファンの泊まりがけの観戦などがこれにあたります。また、スポーツツーリズムは地域活性化と深くかかわっているのが特徴です。例えば、国内からだけでなく海外からも多くの人が訪れる国際大会は、地域振興の起爆剤になり得ます。今回は、そんなスポーツツーリズムが注目されている理由や、今後も広がる可能性について紹介します。

新しい旅行のかたち「スポーツツーリズム」とは?

今、「スポーツを観ること・体験すること」が旅の新たな魅力として浸透し始めています。そんななか、スポーツと観光を融合させた旅行を指すスポーツツーリズムの注目が高まっています。

日本はアジア有数のスポーツ先進国。プロ野球やJリーグ、大相撲など、人気スポーツの観戦イベントが盛んに行われています。また、マラソン大会のような参加型のスポーツイベントや、ラフティングなどの豊かな自然を活かしたスポーツ体験も各地で人気を集めています。このように、スポーツ資源を活かして地域の観光力を高める取組の1つが、スポーツツーリズムです。

スポーツツーリズムの3つの側面

スポーツは「する人、みる人、ささえる人」の主に以下の側面によって成り立っています。この3つの側面でスポーツの素晴らしさを感じられるのが、スポーツツーリズムの魅力です。

「する人」にとってのスポーツツーリズム

スポーツをする人にとってのスポーツツーリズムの魅力は、新しい旅の体験です。サイクリングやトレイルランニングなど、各地の自然や文化に触れられるスポーツを体験することで、新たな楽しみが生まれます。また、スポーツを通して、その土地の今まで知らなかった魅力を発見できることもあるでしょう。

「みる人」にとってのスポーツツーリズム

スポーツをみる人にとってのスポーツツーリズムの魅力は、実際にその場へ出向いてスポーツを観戦することで得られる感動です。熱気と興奮に包まれた試合観戦は、忘れられない思い出になるでしょう。また、スポーツ観戦の前後や合間にその土地の観光を楽しめるのも魅力。名物料理を食べたり、周辺の観光地を巡ったりすることで、新しい発見が生まれます。

「ささえる人」にとってのスポーツツーリズム

スポーツツーリズムでは、ささえる人の存在も非常に重要です。ささえる人とは、スポーツ大会の誘致や運営、地域に密着したスポーツチームの支援を行う団体や行政、個人のこと。

スポーツ大会にかかわる団体や行政が一丸となって参加選手や関係者、観戦客の受け入れ態勢を整えることで、宿泊施設・飲食業・交通機関など観光に関連する産業が賑わいます。、こうした活動が地域に根づいていくことで、新たなスポーツイベント開催の準備がスムーズになり、地域活性化につながるとともに、ボランティアの派遣など地域同士の助け合いも生まれるのです。また、大きな大会が決まれば、競技施設の改修、交通網の整備などインフラの拡充が行われるケースもあります。

今、スポーツツーリズムが注目されている理由

現代は、「モノ」以上に「コト(=体験)」が強く求められる傾向が見られます。スポーツを含めた体験や思い出づくりに価値を感じる、お金を使いたいという人が増えており、その要望を満たすコンテンツの1つとしてスポーツツーリズムが注目されています。

特に最近では、国内の豊かな自然資源を活かしたスポーツ体験を提供する取組が盛んです。日本が有する山や海、川などを上手く利用すれば、その土地ならではのスポーツが話題となり、多くの観光客を呼び込めます。

例えば、自然の中で多彩なアクティビティを楽しむ「アウトドア」、心地良い風を感じながら美しい景色を満喫する「サイクリング」など、その土地の特徴や魅力を活かしたスポーツ体験は、地域の新たなコンテンツになっています。

スポーツツーリズムの可能性

応援している野球チームの試合やキャンプ見学に訪れた土地に愛着が湧き、その後も何度も訪れるようになったというケースのように、スポーツ観戦や参加で得た感動は「(この土地を)また訪れたい!」というニーズを生み出します。

スポーツツーリズムの可能性を広げていくためには、このニーズに応じた取組が重要です。訪れた人へスポーツを通して地域の魅力を伝え、次回の旅行への意欲を掻き立てることで、地域経済の継続的な活性化につながります。

また、スポーツを特色とした新たな観光地づくりも、スポーツツーリズムの新たな可能性を秘めています。例えば、市民マラソンやウォーキングイベント。距離の設定に幅を持たせれば、子どもから大人まで多くの人が参加しやすいイベントになります。そして、そのイベントが定期的に開催されるようになれば、それが観光の目玉となって周辺地域を含めて観光地化が進むこともあり得るでしょう。

スポーツツーリズムの取組例

最後にスポーツツーリズムで地域活性化を目指す、各地の取組例を紹介します。

【栃木県那須町】おもてなしと自然を体感するサイクルイベント

那須町で力を入れているのが、サイクルイベントやサイクリストの受け入れです。「ツール・ド・とちぎ」「那須高原ロングライド」といったイベントの開催に加え、観光客に人気の那須高原には、サイクリストを迎えるためのサイクルピットを備えたカフェやレストラン、ショップが数多くあります。

起伏に富む那須町の自然環境はサイクリストにとって大変魅力的。そこへ町民のあたたかなおもてなしも加わり、全国各地からサイクリストが訪れています。

【徳島県三好市】ウォータースポーツで推進する地域振興

三好市は、急流と静水面の2つの水面を持つ吉野川を利用したウォータースポーツで、地域振興に取り組んできました。その結果、近年ではウェイクボードやラフティングの世界選手権開催地に選ばれています。また、SUPやカヤックといったウォータースポーツを楽しめるスポットとしても知名度を上げています。

この取組で注目すべきは、スポーツをきっかけとした地域の新たな魅力発見です。地元の人からすれば見慣れている川や自然でも、市外の人の目には特別で価値のあるものに映ります。選手・観光客との交流を通して地元の人もその魅力に気づくことで、自分達の町への見方が変わっていきます。

地域の新たな魅力を知る・伝えるスポーツツーリズム

スポーツツーリズムの拡大は、スポーツをきっかけとして、まだあまり知られていない各地の文化、地域の魅力を知る、あるいは伝えるチャンスになります。また、スポーツの楽しみ方の幅を広げることになりますし、その土地ならではのスポーツやムーブメントが生み出されることで、地域での新しい価値の創造や新たな魅力の掘り起こしにもつながります。今後もスポーツツーリズムを通して、スポーツの多面的な楽しみ方と、地域の様々な可能性が広がっていくでしょう。