「秋バテ」対策には生活習慣の工夫とバランスのとれた食事を!おすすめのレシピを紹介!
ささえる
夏の暑さも和らぎ、過ごしやすくなってきたのに、体がだるい、疲れやすいなどの不調が続いている…。そんな健康状態に心当たりはありませんか?
JSPO(日本スポーツ協会)公認スポーツ栄養士の小嶋理恵子先生によると、それは「秋バテ」の症状で、夏の”暑さ疲れ”がどっと出ている状態なのだとか。
そこで、今回は小嶋先生に、秋バテ対策となる生活習慣の工夫や、食事面の工夫、秋におすすめのレシピについてお話を伺いました。
JSPO(日本スポーツ協会)公認スポーツ栄養士の小嶋理恵子先生によると、それは「秋バテ」の症状で、夏の”暑さ疲れ”がどっと出ている状態なのだとか。
そこで、今回は小嶋先生に、秋バテ対策となる生活習慣の工夫や、食事面の工夫、秋におすすめのレシピについてお話を伺いました。
目次
秋バテの主な原因は、「気温や気圧の急激な変化」や「体や内臓の冷え」。生活習慣の工夫で対策を!
季節の変わり目となる秋は、気温や気圧の変化が起こり、それによって体や内臓の冷えが起こりやすいものです。秋バテ対策の基本は「疲れを癒し、身体をいたわること」。そこで、まずは生活習慣として心がけたいポイントを紹介します。
体内時計を整える
起きる時間を決めて、しっかりと朝の光を浴びて、起床後1時間以内には朝食を食べるようにしましょう。睡眠時間は7~8時間確保して疲れをとるように心がけましょう。
お風呂にゆっくり入る
一日の疲れを癒してくれるバスタイム。38~40℃のお風呂にゆっくり入って、リラックス効果を存分に味わいましょう。自律神経を整える効果も期待できます。
軽めの運動をする
軽いジョギングやウォーキングで筋肉をほぐしましょう。家の中でできる体操や、家事をしながらつま先立ちなどをする「ながら運動」もおすすめです。
食事面の工夫で、しっかりと体調管理!
体を温める食材をとる
冷たい食事を取り続けると胃腸が冷え、血液循環が悪くなり、だるさや疲れがなかなか取れないなどの症状が出てくることがあります。そんなときは、体を温める食材や温かい飲み物を取り入れて、体を内側から温めましょう。
また、「よく噛んで食べること」が大切で、こうすることで体温が上がると言われています。
また、「よく噛んで食べること」が大切で、こうすることで体温が上がると言われています。
体を温める食材
辛味のある香辛料や匂いの強いネギ類は体を温めます。
ショウガ、ニラ、ネギ、にんにく、とうがらし など
※但し、胃腸に不調を感じる場合は、刺激物は避けてください。
辛味のある香辛料や匂いの強いネギ類は体を温めます。
ショウガ、ニラ、ネギ、にんにく、とうがらし など
※但し、胃腸に不調を感じる場合は、刺激物は避けてください。
元気を作るビタミン、ビタミンB1を積極的にとる
水溶性ビタミンの仲間である、ビタミンB1 は、糖質をエネルギーに変える際に補酵素として働く⼤切な栄養素です。秋にしっかりと体を動かすためにも、ぜひ積極的に摂りましょう。
ビタミンB1 を多く含む食材
以下の食材はビタミンB1を多く含みます。
豚⾁、⼤豆、にんにく、⼩豆、えのき、玄米、うなぎなど
以下の食材はビタミンB1を多く含みます。
豚⾁、⼤豆、にんにく、⼩豆、えのき、玄米、うなぎなど
旬の食材を使った食事をとる
「旬」の時期の食材は、栄養価が高く、他の季節よりも美味しく感じられると言われています。秋の旬の食材は、「鮭、キノコ、ごぼう、さつまいも、⾥芋、かぼちゃ」などです。特にキノコ類(しいたけ、しめじ、えのき、松茸など)は旨味も多く、薄味でも美味しく召し上がっていただけます。
鮭やキノコ類には、骨の成⻑にかかわるビタミンD が含まれています。ビタミンD は骨の成⻑以外にも、免疫機能を調整する働きもありますので、秋の体調管理に、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
注目の栄養素「ビタミンD」をたっぷり補給できる秋レシピ
鮭とキノコのバターホイル焼き(所要時間:約30分)
レシピは動画でどうぞ!
「秋バテ」対策には生活習慣の工夫とバランスのとれた食事を!おすすめのレシピを紹介!
via www.youtube.com
【材料(4人前)】
鮭(生または塩)…4切れ
しめじ…1/2株
えのき…1/2パック
玉ネギ…1/2個
にんじん…1/4本
しめじ…1/2株
えのき…1/2パック
玉ネギ…1/2個
にんじん…1/4本
【調味料】
塩・コショウ…少々
バター…40g
しょうゆ…適量
料理酒…適量
バター…40g
しょうゆ…適量
料理酒…適量
【作り方】
1.生鮭の場合、軽く料理酒を振り、塩・コショウを振って、10分程度おく。水が出てきたら軽くキッチンペーパーで拭き取る。
※塩鮭の場合は予め鮭に塩が振ってあるので塩は必要ありません。
※塩鮭の場合は予め鮭に塩が振ってあるので塩は必要ありません。
2.玉ネギ、にんじんは皮をむいて細切りにする。しめじは石づきを切り、ほぐしておく。えのきも石づきを切り、食べやすい大きさに切る。
3.アルミホイルに玉ネギ・にんじんを敷き、その上に1の鮭をのせる。さらにしめじ、えのきをのせて、バターを乗せ、しょうゆをたらす。
4.アルミホイルで包みフライパンに並べ、横から水を加えたら蓋をして中火で加熱する。沸騰したら弱火で約15分~20分ほど蒸し焼きにする。
5.火が通ったかを確認し、お皿に盛り付けて出来上がり。
(栄養量)
エネルギー:241kcal
タンパク質:17.2g
脂質:18.5g
炭水化物:4.6g
食物繊維量:1.5g
食塩量:1.4g
タンパク質:17.2g
脂質:18.5g
炭水化物:4.6g
食物繊維量:1.5g
食塩量:1.4g
【ポイント】
鮭もキノコもビタミンDの宝庫
ビタミンDは、2020年の食事摂取基準で目標量が上がった注目の栄養素。カルシウムと一緒に骨を丈夫にしてくれる働きがあるだけでなく、免疫機能を調整してくれる働きなどがあります。
鮭もキノコもビタミンDの宝庫。秋の味覚を味わいながら、ビタミンDをたっぷり補給できます。
鮭もキノコもビタミンDの宝庫。秋の味覚を味わいながら、ビタミンDをたっぷり補給できます。
ビタミンDを摂取したら日光に当たろう
通常のビタミンは摂取すれば体の中で働いてくれるのに対して、ビタミンDは摂取後、日光(紫外線)に当たることで活性化するという特徴があります。
そのため、インドアでスポーツをしている人や、ウインタースポーツのように全身が覆われた格好でスポーツをしている人、日焼け止めを使用している人などは、ビタミンD不足のリスクが高くなりがちです。
鮭やキノコなどでビタミンDを摂取したら、日光に当たるようにしましょう。
そのため、インドアでスポーツをしている人や、ウインタースポーツのように全身が覆われた格好でスポーツをしている人、日焼け止めを使用している人などは、ビタミンD不足のリスクが高くなりがちです。
鮭やキノコなどでビタミンDを摂取したら、日光に当たるようにしましょう。
天日干し+冷凍保存で、キノコの栄養も旨味もアップ
しめじ、えのき、えりんぎなどキノコ類に含まれるビタミンDは、摂取する前、食材の状態で日光に当たることでも活性化します。キノコ類は足が早いため、天日干しの上冷凍保存しておくのがおすすめ。冷凍することで細胞が壊れ、酵素が働き旨味が増します。さらに冷凍保存しておけば、みそ汁や料理の添え物などにサッと使えて利便性の面でもおすすめです。
運動中や運動後には、水分補給・栄養補給で「リカバリー」することもお忘れなく!
リカバリーとは「元の状態に戻す」こと
基本的にトレーニングをすると、体の筋肉が傷ついたり、体の中に蓄えられていたエネルギーが無くなっていったりします。この無くなってしまったエネルギーを補給し、(運動)能力を元の状態に戻すことをリカバリーと言います。
疲労の原因は、水分やエネルギー源の減少など
運動をすると、水分やエネルギー源であるグリコーゲンの減少、筋の微細損傷や筋肉痛、脳の疲労など、さまざまな原因によって疲労が起こります。
疲労は、筋力・柔軟性・持久力・集中力の低下を招く原因となるので、水分やエネルギー(糖質・タンパク質)を補給したり、マッサージなどで血液循環を促進したり、睡眠をしっかりとるなどして、疲労の回復(リカバリー)に努めることが大切です。
疲労は、筋力・柔軟性・持久力・集中力の低下を招く原因となるので、水分やエネルギー(糖質・タンパク質)を補給したり、マッサージなどで血液循環を促進したり、睡眠をしっかりとるなどして、疲労の回復(リカバリー)に努めることが大切です。
試合後や練習後のリカバリーは、段階的に・継続的に
リカバリーでは、運動で失われた水分やエネルギー(糖質・タンパク質)をなるべく時間を空けずに補給することがポイントとなります。
試合後や練習後のリカバリーは、運動後の消化吸収能力に合わせて、下記のように段階的に継続してとることをおすすめします。
試合後や練習後のリカバリーは、運動後の消化吸収能力に合わせて、下記のように段階的に継続してとることをおすすめします。
第1段階(運動後30~45分以内)
水分と糖質補給:スポーツドリンク、ゼリー飲料など
水分と糖質補給:スポーツドリンク、ゼリー飲料など
第2段階(運動後1~1.5時間以内)
タンパク質や微量栄養素の補給:おにぎり、サンドイッチなど(水分補給も合わせて)
タンパク質や微量栄養素の補給:おにぎり、サンドイッチなど(水分補給も合わせて)
第3段階(運動後2時間程度)
主食(糖質:ご飯・パン・麺など)、
主菜(タンパク質:肉・魚・卵・大豆製品など)、
副菜(ビタミン・ミネラル:野菜・キノコ類・海藻類など)、
果物(ビタミン・ミネラル)、
乳製品(カルシウム)
など栄養バランスを考えた5つのお皿を心がけましょう。
主食(糖質:ご飯・パン・麺など)、
主菜(タンパク質:肉・魚・卵・大豆製品など)、
副菜(ビタミン・ミネラル:野菜・キノコ類・海藻類など)、
果物(ビタミン・ミネラル)、
乳製品(カルシウム)
など栄養バランスを考えた5つのお皿を心がけましょう。
空腹での運動は避け、適切なタイミングでエネルギーを補給
運動をする時は、満腹でも空腹でもないニュートラルな状態がベスト。そのため、運動を始める2~3時間前には「通常の食事」が食べ終わっていることが理想。運動前の食事は運動時のエネルギー補給のため、炭水化物メインのものを選びましょう。
運動前にお腹がすく場合には、1時間前までに、おにぎり、バナナ、栄養ゼリーなどを補給しましょう。
運動前にお腹がすく場合には、1時間前までに、おにぎり、バナナ、栄養ゼリーなどを補給しましょう。
「食事」も「運動」も正しい知識を持って、正しい手法で実践
「食事」も「運動」も正しい知識を持って、正しい手法で実践することが大切です。スポーツを頻繁に行う人やアスリートが減量や体づくりを行う時には、JSPO公認のスポーツ栄養士やアスレティックトレーナーなどの専門家に相談しながら進めていきましょう。そうすることで、プロ指導のもと安心して体づくりができます。
<小嶋理恵子先生 プロフィール>
JSPO公認スポーツ栄養士/管理栄養士。給食委託会社や大学病院、総合病院で約10年間の給食管理業務、臨床栄養指導を経験後、2020年よりアスリートの栄養サポートを行う事業団体「plus N」を主催。代表も務めている。